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諏訪市議会では、「議員の資質向上と市民のための議会改革の実現」を目指し、岩崎弘宜(イワサキヒロマサ)(※正式には「立」さきとなります)議会改革アドバイザーをお招きし、令和7年11月23日(日)・24日(月)と2日間にわたり議員研修会を開催しました。当日の研修の内容や様子を、以下にお伝えします。
【岩崎氏略歴】
長野市出身。茨城県取手市役所総務部情報管理課長の現職。議会事務局職員歴通算27年。公務員アワード2021において、公務員アワード等受賞。また、議会改革度ランキング2020,2021において、2年連続、取手市議会、総合全国第1位獲得等、幾多の賞を受賞。公務の傍ら、市町村アカデミー、NOMA、JIAM研修講師や市町村議会議員研修会講師として日夜奮闘。長野県千曲市・埼玉県宮代町の議会改革アドバイザーとしても活躍中。
本日のテーマ 講演及びグループワーク「政策提言と委員会活動の強化」について
冒頭、牛山正議長より「岩崎アドバイザーの豊富な経験と実践に基づくお話は、私たちが日々取り組んでいる政策提言や委員会活動に、確かな指針と新たな気づきがある。現場の声を的確に捉え、実効性のある提言へと結びつける力を身につける必要性、また現状を改革、改善するためには、現状のやり方を肯定すると、良い改革・改善が進まないと考える。まず自らの行為を否定することから始めて、改革・改善していくという方法をとっていきたい」とあいさつがありました。
本日の目的:「今までの審議・審査を改め、真に市民に役立つ議論への脳内変化」
「「要望」や「議会郵便屋さん」ではなく、真の政策提言をする議会への変革」


議会における討議とは…議題の結論を出し、その結論の最適値を追求するため、議員や関係者が互いに意見を出し合って結論に近づけていく話し合いのこと。
討議手段としては、議員が調査してきた情報の共有、議員はその時点の自分の考えと逆の考えで対話する、住民や有識権者の意見聴取等がある。
(1)人任せではなく、市内を歩き住民の声を聴く
(2)先進地を調査したりネットで検索をする
(3)図書館のレファレンス機能を活用
(4)各種研修会に参加
以上のことをし、質の高い通告書や発言につなげてほしい。諏訪市議会はこれが課題だであるとご指摘をいただきました。
市民の「要望」や「声」をだた市長に届けるだけなら、郵便屋さん。
議員と語っチャオ!!等の広聴事業は、それを取っ掛かりに議員間で討議するためにやるもの。「把握した市民の多様な意見をもとに政策提言及び政策立案の強化に努めること」、また「議会が言論の場であること及び合議制の機関であることを認識し、議員間の自由な討議を重んじること」が全然出来ていない。討議していないとのご指摘をいただきました。
まず、12月議会より委員間での討議を行うこと。討議において「議員は、本会議及び委員会において、自らの意見、考えを丁寧に述べるとともに、他の議員の意見にも真摯に耳を傾け、議員間で討議を尽くさなければならない」とアドバイスをいただき、その後、実際に総務産業委員会と社会文教委員会に分かれ、「政策提言と委員会活動の強化」をテーマに討議の実習を行いました。

今回の研修会の学びを経て、12月議会の委員会審査においては委員間討議を取り入れました。
最後に、今までの「個」の動きから「議会」の動きに変え、とことん議会で議論や調査を。それを経て表決をする。議会の意思決定をして欲しいというお話がありました。
まず、冒頭にお伝えしたいこととして、以下10項目のお話がありました。
(1)イライラしたら負け
(2)悔しさがあるから嬉しさがある
(3)失敗は成功への通過点
(4)無理だと思わないことが一番大事
(5)先入観は可能を不可能にする
(6)毎日自分に課題を与えて向き合う
(7)どんな環境でも自分を見失わない
(8)やってみることが一番大事
(9)無駄な「調査」「こと」はない
(10)人は一瞬で変わることができる
本日のテーマ 講演及びグループワーク「政策提言と委員会活動の強化」について
諏訪市議会では、12月定例会よりタブレット端末を導入し、現在試行期間中であるため、タブレット端末、デジタル技術の活用をテーマに研修を受けました。
(1)デジタルは慣れ
(2)自分の調査方法と脳内で対比したり、活用方法をイメージする
(3)何か1つでも気づき変化させる
「デジタルが苦手な人」、「得意ではないけど苦手でもない人」、「得意な人」をまんべんなく分けた3チームに分かれて、「得意な人」よりそれぞれタブレット端末及びペーパーレス会議システムの機能を説明。
マーカーの引き方、資料の見開き表示の仕方、違う資料を画面に並べる方法などを各チームが発表し、全議員で共有しました。
アドバイザーからは議員間で、他の議員はどんな使い方をしているのか等、使い方の共有が日常的に行われることが大事であるとのお話がありました。
生成された情報を熟読する。真偽を必ず確認する。→AIが使えるかどうかは、人間側の「使い方」で決まる。
各種計画等の概要を瞬時に学ぶ
会議録を要約し報告作成等に使う
自らの広報紙やSNSで発信する文章を「正しい日本語や使い方」「炎上しない・他者を不快にしない・政治家として誤解を招かない」表現のチェック等
その後、実際に生成AIを用い、政策提言についての客観的な課題を聞く等をし、AIの力で内容のブラッシュアップを試しました。
最後に議長より、「冒頭で教えていただいた10項目は、議員としてだけではなく、人生の指針となると感じた。今後この10項目を胸に刻んでいただきたい。研修の学びを「駆け足」で実践に移していきたい」との言葉で、二日間の研修を終えました。
