本文
諏訪市の縄文時代
霧ヶ峰高原と諏訪湖を擁する諏訪市には、縄文時代の遺跡が多数あります。
出土した土器や石器、集落の様子から、当時の繁栄した生活がわかります。
最新情報
日本遺産「星降る中部高地の縄文世界ー数千年を遡る黒曜石鉱山と縄文人に出会う旅ー」公式HPにおいて、3月下旬より譽田亜紀子さんによる諏訪市博物館についてのコラムが掲載されます。公式HPリンク<外部リンク>
代表的な縄文時代の遺跡
曽根遺跡(日本遺産構成文化財)
諏訪湖の湖底に広がる縄文時代草創期の遺跡。明治41年(1908年)に発見された、日本最初の水中遺跡として有名です。
発掘調査は行われていませんが、採集された遺物は多量にあり、黒曜石製の石鏃や爪形文土器など数万点におよびます。
立石公園から見た諏訪湖(遺跡は手前の湖岸右手、沖合 200mあたり)
長脚・片脚・三角形の石鏃と爪形文土器(国登録有形文化財 諏訪市博物館収蔵)
穴場遺跡
蓼の海から流れる角間川が上諏訪の市街地に至る手前、諏訪二葉高校の北側に所在する、上諏訪地区では最大の縄文遺跡とみられます。
多くの住居跡が発掘されており、なかでも縄文中期の18号住居跡からは動物装飾付の釣手土器や石棒・石皿などがまとまって出土し、何らかの祭祀行為を行っていた可能性があります。
18号住居跡の遺物出土状況
動物装飾付釣手土器(長野県宝 日本遺産構成文化財 諏訪市博物館収蔵)
大ダッショ遺跡
諏訪清陵高校の敷地を含む、福沢川の左岸扇状地上に広がる集落遺跡。縄文時代から奈良時代までの各時代の遺構が発見されています。
1984年に発掘された縄文中期の有孔鍔付土器は、ほかに類例のない特異な形状をしています。また、人面を思わせる文様をもつ有孔鍔付土器も出土しています。
7号住居跡出土有孔鍔付土器(長野県宝 日本遺産構成文化財 諏訪市博物館収蔵)
12号住居跡出土有孔鍔付土器(諏訪市博物館収蔵)
荒神山遺跡(日本遺産構成文化財)
1974年に中央自動車道建設に先立って発掘調査された、市内屈指の縄文集落遺跡。中世の大熊城跡と小田井沢川に挟まれた幅の狭い傾斜地に110軒以上の住居跡が検出され、多量の土器や石器が出土しました。
93号住居跡では、約40個体分の土器が積み重なって出土しました。縄文中期の大型で装飾が豪華な土器群は、諏訪市を代表する造形美のあるものです。
93号住居内折り重なる土器群の様子
93号住居跡から出土した土器の一部(長野県宝 諏訪市博物館収蔵)
93号住居跡出土顔面装飾把手(諏訪市博物館収蔵)
福松砥沢遺跡
湖南地区、諏訪西中学校やその周辺に広がる集落遺跡。縄文・弥生・平安時代の遺構が発掘されています。
縄文中期後葉の敷石住居跡や一般的な竪穴式住居跡に加え、石器作りの材料となる黒曜石の原石が一ヶ所にまとまって出土するなど、豊富な出土遺物があります。
敷石住居跡(30号住居跡)
黒曜石原石の集積
お問い合わせ先
文化財係
電話番号:0266-52-4141
ファックス番号:0266-53-6219