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諏訪市の旧石器時代と黒曜石
市内には旧石器時代の遺跡が多数あります。諏訪地域最古級の遺跡が霧ヶ峰高原南麓にあり、諏訪湖を見おろす丘陵先端のあたりまで、人々の痕跡が発見されています。天然資源である黒曜石を用いた、人類の活発な行動があったことが分かります。
代表的な遺跡と出土品
ジャコッパラ遺跡群(日本遺産構成文化財)
霧ヶ峰高原の南麓、踊場湿原の南に広大に広がる丘陵内には、多くの遺跡が発見されています。旧石器時代の石器製作跡と縄文時代の落し穴が主な遺構で、遺跡中、No.12遺跡では、台形石器(台形様石器)と呼ばれる種類の石器が発掘されており、その年代は大よそ3万年以上前。諏訪地域では、原村の弓振日向遺跡と並んで最も古い遺跡であることが分かっています。
黒曜石が産出する下諏訪町や長和町の霧ヶ峰外縁部から近く、諏訪市や茅野市方向への石器・石材の移動ルート上であると推測されています。
諏訪地域最古級の石器(No.12遺跡 諏訪市博物館収蔵)
No.12遺跡発掘現場(赤い竹串は遺物出土箇所)
茶臼山遺跡と諏訪湖東岸遺跡群
昭和27年(1952)、関東地方以外で初めて発掘された旧石器時代の遺跡。日本における旧石器時代の存在を決定的なものにした重要な遺跡。黒曜石製のナイフ形石器・?器・石刃や、蛇紋岩製の局部磨製石斧などがあります。
周辺の崖上丘陵端には槍先形尖頭器を中心に出土する北踊場遺跡・上ノ平遺跡・温泉寺横遺跡、ナイフ形石器が主体の手長丘遺跡、細石刃石核が採集された天神山城跡など、旧石器時代の遺跡が密集しています。時代をやや移しながら、多量の黒曜石を用いて石器づくりが盛んに行われていたエリアです。
黒曜石製石器と蛇紋岩製局部磨製石斧
(茶臼山遺跡 市指定有形文化財 諏訪市博物館収蔵)
槍先形尖頭器(北踊場遺跡)
上ノ平遺跡第4次調査下層遺構
(ローム土層から出土。遺物はビニール袋に入れて出土位置に置く)
八島遺跡(日本遺産構成文化財)
霧ヶ峰高原の八島ヶ原湿原は周囲約4kmの高層湿原です。この湿原の周りには多数の旧石器時代の遺跡が発見されています。そのうち、八島遺跡は湿原南東に位置し、槍先形尖頭器を中心とした石器製作の遺跡です。また、中世の旧御射山遺跡とも重なる複合的な遺跡でもあります。
黒曜石製槍先形尖頭器など
(市指定有形文化財 諏訪市博物館収蔵)
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