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小丸山古墳出土品(その3 馬具) 金の馬具と銀の馬具

記事ID:0002162 更新日:2020年12月2日更新 印刷ページ表示

大正時代に出土した馬具(多くが東京国立博物館に所蔵されている)の画像
大正時代に出土した馬具(多くが東京国立博物館に所蔵されている)[その他のファイル/2.5MB]

金張りされた鈴と青銅製の鈴の画像
金張りされた鈴と青銅製の鈴[その他のファイル/207KB]

馬は古墳時代前期から中期頃、中国大陸から日本に渡来しました。それに伴い、馬を操り乗馬するための「馬具」も入ってきました。当初実用品であった馬具ですが、権力誇示のための道具として豪華なものに発達していきます。馬具からは豪華に着飾った馬と、それを所有した豪族のすがたが垣間見られます。

小丸山古墳出土の馬具には様々なものがあり、東京国立博物館には乗馬の際に足をかけるための輪鐙(わあぶみ)や手綱を引くための轡(くつわ)、革帯や布の留め金具などが収蔵されています。諏訪市にも轡や辻金具(つじかなぐ)、鈴などが残されており、なかには東京国立博物館の収蔵品と同一個体と思われるものもあります。
轡には鉄製で簡素な環状鏡板と、鉄地金銅装心葉形十字文透彫鏡板が確認されています。前者は全国的に出土しているものですが、後者は珍しいもので長野県内では2例目とみられ、そのほか関東や関西・山陰地方で散見されています。作られた当時は金色に輝く豪華なものであったと思われます。
雲珠(うず)や辻金具は鉄製で、そのうえに銀がかぶせられています。また、中央に穴が開いていますが、ここにはイモガイなどの貝類を加工した飾りがはめこまれていた可能性があります。イモガイは鹿児島県や沖縄県など南九州以南に生息する巻貝で、古墳時代には高級な装飾品として用いられていました。貝製馬具は朝鮮半島や九州に多く出土しており、本州では点在して確認されています。長野県内では北信に1例あるのみで、珍しい製品です。
多数ある馬具の組み合わせ関係を整理すると、小丸山古墳からは金銅仕上げのもの(金銅装)、銀仕上げのもの(銀装)、鉄製のものの3組のセットが副葬されていたと推測できます。これらはそれぞれに製作地(集団)が異なる可能性があり、複数のルートから入手した(できた)ことが推測されます。

鉄地金銅装轡鏡板の画像
鉄地金銅装轡鏡板[その他のファイル/1.5MB]

鉄地銀装雲珠と辻金具(貝製馬具の可能性もある)の画像
鉄地銀装雲珠と辻金具(貝製馬具の可能性もある)[その他のファイル/455KB]

お問い合わせ先

教育委員会事務局生涯学習課文化財係
電話番号:0266-52-4141

ファックス番号:0266-53-6219

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