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小丸山古墳出土品(その1 武器) 銀象嵌装大刀

記事ID:0002160 更新日:2020年12月2日更新 印刷ページ表示

サビにおおわれた大刀の刀身の画像
サビにおおわれた大刀の刀身[その他のファイル/1.4MB]

 銀象嵌の装飾がついた大刀の鍔(X線撮影写真)の画像
銀象嵌の装飾がついた大刀の鍔(X線撮影写真)[その他のファイル/144KB]

小丸山古墳からは、大正時代・昭和時代と複数回にわたり遺物の発見がありました。それらは葬られた人物とともに納められた副葬品であると推測されます。
副葬品には、遺体が身に着けいていた装身具や生前使用していた武器、黄泉の国での食事に使用する土器などがあります。小丸山古墳からは大刀14振りや、鉄鏃(弓矢の先端部)が多数出土しています。大刀は金属部分である刀身や刀装具(付属部品)が断片的に残っているのみで、鞘(さや)や柄の様子は不明です。
大刀に装着されていたであろう鍔(つば)が5点出土していますが、そのうちの1点には、特殊な加工で貴重な装飾である「銀象嵌(ぎんぞうがん)」が施されていたことが、平成27年度の調査で確認されました。
鍔は平面形が卵形で、台形の穴が6か所あく「六窓鍔」と呼ばれる形式で、X線撮影写真の観察から、平面の表と裏の両面と側面に線刻されているとみられます。極細の線表現で、丸い文様(円文)を施文し、その円文を区画するような直線文で区切っています。この鍔にはサビで融着してしまったはばきがあり、こちらにもやや形の悪い円文が施文されています。
別の金具では側面に波のような曲線と、C字文が象嵌されています。これは刀身または鞘や柄の端部に使われた縁金具と推定されます。
平成26年度に一部先行して実施された保存処理(サビ落としと防腐処理)の結果、鞘縁とみられる金具からは渦巻き文様の銀象嵌が明瞭に表出されています。

これらの大刀を構成する刀装具は、いずれも銀であること、文様が極端に異ならず、円またはC字・渦巻きと同系統のものであること、また、同一部位がなく、一振りの構成部品となりえることから、同じ大刀の刀装具であると推測されます。
このような象嵌を施す大刀は長野県内で20数例出土しています。この数は古墳の基数や刀剣の出土数と比べるとごくわずかな数です。それは珍しく貴重な品であることを意味し、象嵌装大刀を所有していたということは、その人物の地位や権力が高かったと推測されます。

銀象嵌の装飾がついた大刀の縁金具(X線撮影写真)の画像
銀象嵌の装飾がついた大刀の縁金具(X線撮影写真)[その他のファイル/41KB]

サビを除去した縁金具からでてきた銀象嵌の渦巻き文様の画像
サビを除去した縁金具からでてきた銀象嵌の渦巻き文様[その他のファイル/828KB]

お問い合わせ先

教育委員会事務局生涯学習課文化財係
電話番号:0266-52-4141

ファックス番号:0266-53-6219

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