○諏訪市老人福祉措置要綱
平成16年6月7日
告示第56号
諏訪市老人福祉措置要綱(平成4年諏訪市訓令第3号)の全部を改正する。
(趣旨)
第1条 この要綱は、老人福祉法(昭和38年法律第133号。以下「法」という。)、老人福祉法施行令(昭和38年政令第247号。以下「政令」という。)及び老人福祉法施行規則(昭和38年厚生省令第28号。以下「省令」という。)に定めるもののほか、法の施行について必要な事項を定めるものとする。
(措置の実施責任)
第2条 市長は、老人の居住地又は現在地(法第11条第1項第1号若しくは第2号又は生活保護法(昭和25年法律第144号)第30条第1項ただし書の規定により、法第5条の3に規定する養護老人ホーム又は特別養護老人ホーム及び生活保護法第38条に規定する救護施設、更生施設、医療保護施設、授産施設又は宿所提供施設(以下「救護施設等」という。)に入所している場合にあっては、入所前の当該老人の居住地又は現在地)によって措置の実施責任を負う。この場合の居住地とは、老人の居住事実がある場所をいうものであり、現にその場所に生活していなくても、現在地に生活していることが一時的な便宜のためであり、一定期限の到来とともにその場所に復帰して起居を継続することが期待される場合は、その場所を居住地として認定する。
2 市長は、次の各号に掲げる居住地がない者又は明らかでない者に対して、措置の実施責任を負う。
(1) 生活保護法第11条第1項各号に規定する保護を受けている者(以下「被保護者」という。)
(2) 被保護者でない者であって、次に掲げる施設に入所しているもの
ア 救護施設等
イ 法第20条の4に規定する養護老人ホーム及び法第20条の5に規定する特別養護老人ホーム(以下「老人ホーム」という。)
ウ 法第20条の6に規定する軽費老人ホーム
エ 児童福祉法(昭和22年法律第164号)第38条に規定する母子生活支援施設以外の社会福祉施設
オ 病院
(3) その措置を要する老人が被保護者でない者であって、浮浪者等であるときは、その措置を採る時点において市内に居住地を有しているもの
(備付書類)
第3条 市長は、法第11条第1項の規定により措置した者(以下「被措置者」という。)に係る老人措置(指導)台帳(様式第1号)及び次に掲げる書類を作成し、常にその記載事項について整理しておくものとする。
(1) ケース番号登載簿(措置開始申出書等受理簿)(様式第2号)
(2) ケース記録票(様式第3号)
(3) 面接(通告)記録票(様式第4号)
(4) 老人保護措置費支給台帳(様式第5号)
(5) 養護受託者申出書受理簿(様式第6号)
(6) 養護受託者登録簿(様式第7号)
(委員会の設置等)
第4条 市長は、老人ホームへの入所の措置(以下「入所措置」という。)の開始及び変更等を決定するに当たっては、諏訪市老人ホーム入所判定委員会要綱(平成13年諏訪市告示第58号)に規定する諏訪市老人ホーム入所判定委員会(以下「委員会」という。)の意見を聞くものとする。ただし、特別養護老人ホームへの入所に係る判定は、介護保険法(平成9年法律第123号)第14条に規定する介護認定審査会における同法第27条第8項に規定する要介護認定の結果を参考にするものとし、委員会は開催しないものとする。
(老人ホームへの入所措置の基準)
第5条 市長は、法第11条第1項第1号の規定により、老人を養護老人ホームに入所させ、又は入所を委託する措置を採るときは、当該老人が次の各号のいずれにも該当する場合に行うものとする。
(2) 経済的事情については、政令第6条各号の規定に該当すること。
2 市長は、法第11条第1項第2号の規定により、老人を特別養護老人ホームに入所させ、又は入所を委託する措置を採るときは、当該老人が要介護認定における要介護状態に該当し、かつ、健康状態が次の各号のいずれにも該当する場合に行うものとする。
(1) 入院加療を要する病態でないこと。
(2) 感染症を有し、他の被措置者に感染させるおそれがないこと。
(養護委託の措置の基準)
第6条 市長は、法第11条第1項第3号の規定による養護委託の措置を採るときは、次の各号のいずれかに該当する場合は行わないものとする。
(1) 当該老人の身体若しくは精神の状況、性格又は信仰等が受託者の生活を乱すおそれがある場合
(2) 養護受託者(老人を自己の下に預かって養護することを希望する者であって、市長が適当と認めるものをいう。以下同じ。)が老人の扶養義務者である場合
(措置の開始、変更及び廃止)
第7条 市長は、老人が老人ホームへの入所又は養護委託の措置の基準に適合すると認めたときは、当該老人の措置を開始するものとし、措置を開始した後において、随時、当該老人及びその出身世帯を訪問し、必要な調査及び指導を行うものとする。
2 市長は、老人ホームへの入所又は養護受託者への養護委託の措置を受けている老人が他の措置を採ることが適当であると認めるときは、措置を変更するものとする。
3 市長は、老人ホームへの入所又は養護受託者への養護委託の措置を受けている老人が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、措置を廃止するものとする。
(1) 措置の基準に適合しなくなったとき。
(2) 入院その他の事由により老人ホーム又は養護受託者の家庭以外の場所で生活する期間が3箇月以上にわたることが明らかに予想される場合又はおおむね3箇月を超えるに至ったとき。
(3) 養護老人ホームへの入所措置を受けている老人が、介護保険法に基づく施設サービスの利用が可能になったとき。
(4) 特別養護老人ホームへの入所措置を受けている老人が、やむを得ない事由の解消により、介護保険法に基づく施設サービスの利用が可能になったとき。
4 市長は、老人ホームへの入所措置を受けている老人について、1年につき1回入所の継続の要否について見直すものとする。
(65歳未満の者に対する措置)
第8条 市長は、法第11条第1項第1号又は第3号に規定する措置を採るときは、60歳以上65歳未満の者のうち市長が特に必要があると認めるものであって、法第11条第1項第1号又は第3号のいずれかの措置の基準に適合するものについて行うものとする。ただし、60歳未満の者であって次のいずれかに該当するときは、老人ホームへの入所措置を行うものとする。
(1) 老衰が著しく、かつ、生活保護法に定める救護施設等への入所要件を満たしているが、救護施設等に余力がないため、これに入所することができないもの
(2) 初老期認知症に該当するもの
(3) その配偶者(60歳以上の者に限る。)が老人ホームの入所措置を受ける場合であって、かつ、その者自身が老人ホームへの入所基準に適合するもの
2 市長は、法第11条第1項第2号に規定する措置において、65歳未満の者であって特に必要があると認められるものは、法第11条第1項第2号の措置の基準に適合する者であって、かつ、介護保険法第7条第3項第2号に該当するものについて行うものとする。
(要措置者の発見及び調査)
第9条 市長は、要措置者の発見に努めるとともに、市民及び関係行政機関等から要措置者の発見の協力が得られるよう、制度について周知徹底を図るものとする。
2 市長は、老人、その家族若しくは民生委員等からの申出及び通告等により、又は自らの調査により措置の対象とみられる老人を発見したときは、措置の要否を判定するため、本人若しくはその扶養義務者に係る養護の状況、心身の状況及び生計の状況その他必要な事項について調査を行い、又は必要に応じて民生委員若しくは税務官署等に調査を依頼するものとする。
(措置申出書)
第10条 市長は、法第11条第1項の規定による措置の開始、変更又は廃止を行おうとするときは、本人又はその扶養義務者等に老人福祉法に基づく措置申出書(様式第9号)を提出するよう指導するものとする。
2 市長は、前項の措置開始の申出があったときは、措置開始申出書等受理簿に登載し、整理するものとする。
(老人ホームへの入所措置決定時の事前説明等)
第11条 市長は、老人ホームへの入所措置を決定したときに入所希望者及びその家族等に対して措置制度の仕組み、老人福祉施設の種類並びにそれぞれの機能について説明するものとする。
2 市長は、委員会の判定により措置が必要であると決定した後、入所するまでに数箇月の期間を要する場合であって、本人等の状況が入所判定時と比べ著しく変動したと認めるときは、入所する時点で再度判定を行うものとする。
3 市長は、老人ホームへの入所措置を変更し、又は廃止しようとするときは、入所者及びその家族の意思を十分聴取するとともに、当該入所者及びその家族の理解と合意を得たうえで措置の変更又は廃止を行うものとする。
3 市長は、措置の申出を不採用としたときは、措置申出不採用通知書(様式第14号)により申出をした者に通知するものとする。
2 市長は、次の各号のいずれにも該当する者に対して、養護の受託を決定するものとする。
(1) 本人及びその家族がその養護の受託について理解と熱意を有すること。
(2) 本人及びその家族が身体的及び精神的に健康な状態であること。
(3) 当該世帯の経済的状況が、委託しようとする老人の生活を圧迫するおそれがないこと。
(4) その住家の規模、構造及び環境が、当該老人の健康な生活に適すること。
(5) 養護の受託の動機が、当該老人の労働力の搾取又は委託費の搾取であるおそれがないこと。
(6) 本人及びその家族の性格、信仰等が当該老人の心身に悪影響を及ぼすおそれがないこと。
(養護の委託)
第14条 市長は、養護委託の措置を決定するに当たっては、あらかじめ、次の措置を行うものとする。
(1) 養護受託者に対して、次項に定める委託の条件を十分に了知させること。
(2) 養護受託者に対して、委託しようとする老人の健康状態、経歴、性格及び信仰等について了知させること。
(3) 委託しようとする老人と養護受託者とを面接させること。
(4) 委託しようとする老人と養護受託者が養護委託の措置について合意に達していることを確認すること。
2 市長は、養護委託の措置を決定したときは、養護受託者に対して、委託の条件として、次に掲げる事項を文書をもって通知するとともに、養護受託者決定報告書(様式第17号)により知事に報告するものとする。
(1) 処遇の範囲及び程度
(2) 委託費の額及び経理の方法
(3) 養護委託の措置を受けている老人又は養護受託者が相互の関係において損害を被った場合は、実施機関がこれを賠償する責を負わないこと。
(4) 市長が養護受託者に、養護委託の措置を受けている老人の養護に関して必要な指導をしたときは、養護受託者は、これに従わなくてはならないこと。
(指導の措置)
第15条 市長は、法第11条第1項第1号に規定する措置を行うときは、次の各号に掲げる事項に重点をおいて指導を行うものとする。
(1) 措置を受けている老人とその家族の関係が緊張又は調和を欠く家庭について、そのような関係が改善されるよう指導すること。
(2) 老人ホームに入所すること又は家庭奉仕員の派遣を受けることが適当であると認められるにもかかわらず、偏見等によりこれらの措置を受けずにいる老人に対して、それらの措置を受けるよう勧めること。
(3) 養護受託者に対しては、委託した時の条件及び注意事項等に反し、又は福祉に欠けないよう指導すること。
(移送)
第16条 市長は、老人が老人ホームに入所する場合若しくは老人ホームから退所する場合又は老人が養護受託者の家庭に入る場合若しくは養護受託者の家庭から出る場合においては、必要に応じて移送を行うものとする。ただし、老人ホームに入所している者若しくは養護受託者にその養護委託の措置を委託している老人が生活保護法に規定する医療扶助により入院及び通院するとき、又は入院している被保護者が老人ホームに入所する場合若しくは養護受託者の家庭に入る場合には、移送は行わないものとする。
(葬祭の措置)
第17条 市長は、法第11条第2項の規定による葬祭又は葬祭の委託の措置は、老人ホームに入所していた者及び養護受託者にその養護委託の措置を委託していた老人が死亡した場合において、速やかに葬祭を行う者の有無を調査し、葬祭を行う者がいないことを確認したうえで行うものとする。
2 葬祭の措置は、死亡の診断若しくは死体の検案、死体の運搬、火葬若しくは埋葬又は納骨等適当と認める範囲内において行うものとする。
(遺留金品の処分)
第18条 法第27条に規定する遺留金品の取扱いは、生活保護法第76条の規定に基づく遺留金品の処分の例により取り扱うものとする。
2 老人ホームの長は、入所者が死亡したときは、入所者死亡に伴う遺留金品届(様式第19号)に遺留金品を添えて、その措置を実施した市長に速やかに届け出るものとする。
4 市長は、相続人がいることが明らかでないときは、家庭裁判所に対して、民法(明治31年法律第9号)第952条の規定による相続財産の清算人の選任を請求するものとする。
2 市長は、前項の請求書を受理したときは、これを審査し、措置に要する費用の概算交付が必要と認めるときは、請求のあった月の15日までに当該費用を交付するものとする。
(支弁基準の改正があった場合の措置費の請求及び精算事務の取扱い)
第21条 老人ホームの長は、第19条第1項に規定する概算交付の請求をする場合において、当該請求をする月の初日までに支弁基準の改正通知があったときは、改正された額により当該請求を行なわなければならない。
2 老人ホームの長は、前条第1項の規定による精算をする場合において、概算交付を受けた月中に支弁基準の改正通知があったときは、改正された額により当該精算を行なわなければならない。
(措置費の交付額)
第22条 法第11条の規定による措置費の額は、支弁基準によるものとする。
(補則)
第23条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。
附則
この告示は、平成16年6月7日から施行する。
附則(平成17年3月18日告示第36号)
この告示は、平成17年4月1日から施行する。
附則(平成18年3月27日告示第64号)
この告示は、平成18年4月1日から施行する。
附則(平成19年3月23日告示第50号)
この告示は、平成19年4月1日から施行する。
附則(平成28年3月16日告示第68号)
(施行期日)
1 この告示は、平成28年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この告示の施行の際現にあるこの告示による改正前のそれぞれの告示の様式による用紙については、当分の間、これを取り繕って使用することができる。
附則(令和3年3月17日告示第42号)
(施行期日)
1 この告示は、令和3年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この告示の施行の際現にあるこの告示による改正前のそれぞれの告示の様式による用紙については、当分の間、これを取り繕って使用することができる。
附則(令和4年3月31日告示第59号抄)
(施行期日)
1 この告示は、令和4年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この告示の施行の際現にあるこの告示による改正前のそれぞれの告示の様式による用紙については、当分の間、これを取り繕って使用することができる。
附則(令和5年1月30日告示第12号)
この告示は、令和5年4月1日から施行する。
別表(第5条関係)
事項 | 基準 |
ア 健康状態 | 入院加療を要する病態でないこと。 感染症を有し、他の被措置者に伝染させる恐れがないこと。 |
イ 日常生活動作の状況 | 老人ホーム入所判定審査票による日常生活動作事項のうち、一部介助が1項目以上あり、かつ、その老人の世話を行う養護者等がないか、又はあっても適切に行うことができないと認められること。 |
ウ 精神の状況 | 老人ホーム入所判定審査票による認知症等精神障害の問題行動が軽度であって日常生活に支障があり、かつ、その老人の世話を行う養護者等がないか、又はあっても適切に行うことができないと認められること。 |
エ 家族の状況 | 家族又は家族以外の同居者との同居の継続が老人の心身を著しく害すると認められること。 |
オ 住居の状況 | 住居がないか、又は、住居があってもそれが狭あいである等環境が劣悪な状態にあるため、老人の心身を著しく害すると認められること。 |