○諏訪市行政手続条例

平成8年3月25日

条例第1号

目次

第1章 総則(第1条―第5条)

第2章 申請に対する処分(第6条―第12条)

第3章 不利益処分(第13条―第30条)

第1節 通則(第13条―第15条)

第2節 聴聞(第16条―第27条)

第3節 弁明の機会の付与(第28条―第30条)

第4章 行政指導(第31条―第35条の2)

第4章の2 処分等の求め(第35条の3)

第5章 届出(第36条)

第6章 行政計画(第37条―第39条)

第7章 雑則(第40条)

附則

第1章 総則

(目的等)

第1条 この条例は、行政手続法(平成5年法律第88号。以下「法」という。)第3条第3項において同法第2章から第5章までの規定が適用されないこととされた処分、行政指導及び届出に関する手続に関し、共通する事項を定めることによって、行政運営における公正の確保と透明性(行政上の意思決定について、その内容及び過程が市民にとって明らかであることをいう。)の向上を図り、もって市民の権利利益の保護に資することを目的とする。

2 処分、行政指導及び届出に関する手続に関しこの条例に規定する事項について、他の条例に特別の定めがある場合は、その定めるところによる。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 条例等 条例及び市の執行機関の規則(地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第2項に規定する規程を含む。以下同じ。)並びに知事の権限に属する事務の処理の特例に関する条例(平成11年長野県条例第46号)及び長野県教育委員会の権限に属する事務の処理の特例に関する条例(平成11年長野県条例第54号)により市が処理することとされた事務について規定する長野県の条例及び長野県の執行機関の規則をいう。

(2) 処分 条例等(第6号及び第33条においては法第2条第1号に規定する法令)に基づく市の行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為をいう。

(3) 申請 条例等(第32条においては法第2条第1号に規定する法令)に基づき、市の行政庁の許可、認可その他の自己に対し何らかの利益を付与する処分(以下「許認可等」という。)を求める行為であって、当該行為に対して市の行政庁が諾否の応答をすべきこととされているものをいう。

(4) 不利益処分 市の行政庁が、条例等に基づき、特定の者を名宛人として、直接に、これに義務を課し、又はその権利を制限する処分をいう。ただし、次のいずれかに該当するものを除く。

 事実上の行為及び事実上の行為をするに当たりその範囲、時期等を明らかにするために条例等において必要とされている手続としての処分

 申請により求められた許認可等を拒否する処分その他申請に基づき当該申請をした者を名宛人としてされる処分

 名宛人となるべき者の同意の下にすることとされている処分

 許認可等の効力を失わせる処分であって、当該許認可等の基礎となった事実が消滅した旨の届出があったことを理由としてされるもの

(5) 市の機関 地方自治法第7章に基づいて設置される市の執行機関及びその補助機関をいう。

(6) 行政指導 市の機関(議会を除く。以下同じ。)がその任務又は所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないものをいう。

(7) 届出 市の行政庁に対し一定の事項の通知をする行為(申請に該当するものを除く。)であって、条例等により直接に当該通知が義務付けられているもの(自己の期待する一定の条例等における効果を発生させるためには当該通知をすべきこととされているものを含む。)をいう。

(8) 市民参加手続 市民一般若しくは一定の利害関係をもつ市民が市の行政機関が行う行政の決定又は実施に関して事前に意見表明の機会を保障される公的手続をいう。

(9) 行政計画 市の機関による行政上の計画で、都市地区計画、土地利用規制計画及び市政長期総合計画など、利害関係をもつ市民に対し強制力を有するものをいう。

(適用除外)

第3条 処分又は行政指導で法第3条第1項各号に掲げるものについては、次章から第4章の2までの規定は、適用しない。

2 前項に規定するもののほか、補助金等(諏訪市補助金等交付規則(昭和44年諏訪市規則第20号)第2条第1項に規定する補助金等をいう。)の交付に関する処分については、次章及び第3章の規定は、適用しない。

(国の機関等に対する処分等の適用除外)

第4条 国の機関又は他の公共団体若しくはその機関に対する処分(これらの機関又は団体がその固有の資格において当該処分の名宛人となるものに限る。)及び行政指導並びにこれらの機関又は団体がする届出(これらの機関又は団体がその固有の資格においてすべきこととされているものに限る。)については、この条例の規定は、適用しない。

第5条 削除

第2章 申請に対する処分

(審査基準)

第6条 市の行政庁は、申請により求められた許認可等をするかどうかをその条例等の定めに従って判断するために必要とされる基準(以下「審査基準」という。)を定めるものとする。

2 市の行政庁は、審査基準を定めるに当たっては、当該許認可等の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。

3 市の行政庁は、行政上特別の支障があるときを除き、条例等により当該申請の提出先とされている機関の事務所に備え付けるか又はその他適当な方法により審査基準を公にしておかなければならない。

(標準処理期間)

第7条 市の行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間を定めるように努めるとともに、これを定めたときは、これらの当該申請の提出先とされている機関の事務所に備え付けるか又はその他の適当な方法により公にしておかなければならない。

(申請に対する審査、応答)

第8条 市の行政庁は、申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならず、かつ、申請書の記載事項に不備がないこと、申請書に必要な書類が添付されていること、申請をすることができる期間内にされたものであることその他の条例等に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請については、速やかに、申請をした者(以下「申請者」という。)に対し相当の期間を定めて当該申請の補正を求め、又は当該申請により求められた許認可等を拒否しなければならない。

(理由の提示)

第9条 市の行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならない。ただし、条例等に定められた許認可等の要件又は公にされた審査基準が数量的指標その他の客観的指標により明確に定められている場合であって、当該申請がこれらに適合しないことが申請書の記載又は添付書類その他の申請の内容から明らかであるときは、申請者の求めがあったときにこれを示せば足りる。

2 前項本文に規定する処分を書面でするときは、同項の理由は、書面により示さなければならない。

(情報の提供)

第10条 市の行政庁は、申請者の求めに応じ、当該申請に係る審査の進行状況及び当該申請に対する処分の時期の見通しを示すよう努めなければならない。

2 市の行政庁は、申請をしようとする者又は申請者の求めに応じ、申請書の記載及び添付書類に関する事項その他の申請に必要な情報の提供に努めなければならない。

(公聴会の開催等)

第11条 市の行政庁は、申請に対する処分であって、申請者以外の者の利害を考慮すべきことが当該条例等において許認可等の要件とされているものを行う場合には、必要に応じ、公聴会の開催その他の適当な方法により当該申請者以外の者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければならない。

(複数の市の行政庁が関与する処分)

第12条 市の行政庁は、申請の処理をするに当たり、他の市の行政庁において同一の申請者からされた関連する申請が審査中であることをもって自らすべき許認可等をするかどうかについての審査又は判断を殊更に遅延させるようなことをしてはならない。

2 一の申請又は同一の申請者からされた相互に関連する複数の申請に対する処分について復数の市の行政庁が関与する場合においては、当該複数の市の行政庁は、必要に応じ、相互に連絡をとり、当該申請者からの説明の聴取を共同して行う等により審査の促進に努めるものとする。

第3章 不利益処分

第1節 通則

(処分の基準)

第13条 市の行政庁は、不利益処分をするかどうか又はどのような不利益処分とするかについてその条例等の定めに従って判断するために必要とされる基準(次項において「処分基準」という。)を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない。

2 市の行政庁は、処分基準を定めるに当たっては、当該不利益処分の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。

(不利益処分をしようとする場合の手続)

第14条 市の行政庁は、不利益処分をしようとする場合には、次の各号の区分に従い、この章の定めるところにより、当該不利益処分の名宛人となるべき者について、当該各号に定める意見陳述のための手続を執らなければならない。

(1) 次のいずれかに該当するとき 聴聞

 許認可等を取り消す不利益処分をしようとするとき。

 に規定するもののほか、名宛人の資格又は地位を直接にはく奪する不利益処分をしようとするとき。

 及びに掲げる場合以外の場合であって市の行政庁が相当と認めるとき。

(2) 前号アからまでのいずれにも該当しないとき 弁明の機会の付与

2 次の各号のいずれかに該当するときは、前項の規定は、適用しない。

(1) 公益上、緊急に不利益処分をする必要があるため、前項に規定する意見陳述のための手続を執ることができないとき。

(2) 条例等において必要とされる資格がなかったこと又は失われるに至ったことが判明した場合に必ずすることとされている不利益処分であって、その資格の不存在又は喪失の事実が裁判所の判決書又は決定書、一定の職に就いたことを証する当該任命権者の書類その他の客観的な資料により直接証明されたものをしようとするとき。

(3) 施設若しくは設備の設置、維持若しくは管理又は物の製造、販売その他の取扱いについて遵守すべき事項が条例等において技術的な基準をもって明確にされている場合において、専ら当該基準が充足されていないことを理由として当該基準に従うべきことを命ずる不利益処分であってその不充足の事実が計測、実験その他客観的な認定方法によって確認されたものをしようとするとき。

(4) 納付すべき金銭の額を確定し、一定の額の金銭の納付を命じ、又は金銭の給付決定の取消しその他の金銭の給付を制限する不利益処分をしようとするとき。

(5) 申請又は届出の処理に付随して関係書類の形式的な不備の是正等を求める処分その他の処分で、当該不利益処分の性質上、それによって課される義務の内容が著しく軽微な処分をしようとするとき。

(不利益処分の理由の提示)

第15条 市の行政庁は、不利益処分をする場合には、その名宛人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない。ただし、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。

2 市の行政庁は、前項ただし書の場合においては、当該名宛人の所在が判明しなくなったときその他処分後において理由を示すことが困難な事情があるときを除き、処分後相当の期間内に、同項の理由を示さなければならない。

3 不利益処分を書面でするときは、前2項の理由は、書面により示さなければならない。

第2節 聴聞

(聴聞の通知の方式)

第16条 市の行政庁は、聴聞を行うに当たっては、聴聞を行うべき期日までに相当な期間をおいて、不利益処分の名宛人となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。

(1) 予定される不利益処分の内容及び根拠となる条例等の条項

(2) 不利益処分の原因となる事実

(3) 聴聞の期日及び場所

(4) 聴聞に関する事務を所掌する組織の名称及び所在地

2 前項の書面においては、次に掲げる事項を教示しなければならない。

(1) 聴聞の期日に出頭して意見を述べ、及び証拠書類又は証拠物(以下「証拠書類等」という。)を提出し、又は聴聞の期日への出頭に代えて陳述書及び証拠書類等を提出することができること。

(2) 聴聞が終結する時までの間、当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができること。

3 市の行政庁は、不利益処分の名宛人となるべき者の所在が判明しない場合においては、第1項の規定による通知を、その者の氏名、同項第3号及び第4号に掲げる事項並びに当該市の行政庁が同項各号に掲げる事項を記載した書面をいつでもその者に交付する旨を諏訪市公告式条例(昭和36年諏訪市条例第16号)に基づき市の掲示場に掲示することによって行うものとする。この場合においては、掲示を始めた日から2週間を経過したときに、当該通知がその者に到達したものとみなす。

(代理人)

第17条 前条第1項の通知を受けた者(同条第3項後段の規定により当該通知が到達したものとみなされる者を含む。以下「当事者」という。)は、代理人を選任することができる。

2 代理人は、各自、当事者のために、聴聞に関する一切の行為をすることができる。

3 代理人の資格は、書面で証明しなければならない。

4 代理人がその資格を失ったときは、当該代理人を選任した当事者は、書面でその旨を市の行政庁に届け出なければならない。

(参加人)

第18条 第20条の規定により聴聞を主宰する者(以下「主宰者」という。)は、必要があると認めるときは、当事者以外の者であって当該不利益処分の根拠となる条例等に照らし当該不利益処分につき利害関係を有するものと認められる者(同条第2項第6号において「関係人」という。)に対し、当該聴聞に関する手続に参加することを求め、又は当該聴聞に関する手続に参加することを許可することができる。

2 前項の規定により当該聴聞に関する手続に参加する者(以下「参加人」という。)は、代理人を選任することができる。

3 前条第2項から第4項までの規定は、前項の代理人について準用する。この場合において、同条第2項及び第4項中「当事者」とあるのは「参加人」と読み替えるものとする。

(文書等の閲覧)

第19条 当事者及び当該不利益処分がされた場合に自己の利益を害されることとなる参加人(以下この条及び第25条第3項において「当事者等」という。)は、聴聞の通知があった時から聴聞が終結する時までの間、市の行政庁に対し、当該事案についてした調査の結果に係る調書その他の当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。この場合において、市の行政庁は、第三者の利益を害するおそれがあるときその他正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。

2 前項の規定は、当事者等が聴聞の期日における審理の進行に応じて必要となった資料の閲覧を更に求めることを妨げない。

3 市の行政庁は、前2項の閲覧について日時及び場所を指定することができる。

(聴聞の主宰)

第20条 聴聞は、市の行政庁が指名する職員が主宰する。

2 次の各号のいずれかに該当する者は、聴聞を主宰することができない。

(1) 当該聴聞の当事者又は参加人

(2) 前号に規定する者の配偶者、4親等内の親族又は同居の親族

(3) 第1号に規定する者の代理人又は次条第3項に規定する補佐人

(4) 前3号に規定する者であったことのある者

(5) 第1号に規定する者の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人

(6) 参加人以外の関係人

(聴聞の期日における審理の方式)

第21条 主宰者は、最初の聴聞の期日の冒頭において、市の行政庁の職員に、予定される不利益処分の内容及び根拠となる条例等の条項並びにその原因となる事実を聴聞の期日に出頭した者に対し説明させなければならない。

2 当事者又は参加人は、聴聞の期日に出頭して、意見を延べ、及び証拠書類等を提出し、並びに主宰者の許可を得て市の行政庁の職員に対し質問を発することができる。

3 前項の場合において、当事者又は参加人は、主宰者の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。

4 主宰者は、聴聞の期日において必要があると認めるときは、当事者若しくは参加人に対し質問を発し、意見の陳述若しくは証拠書類等の提出を促し、又は市の行政庁の職員に対し説明を求めることができる。

5 主宰者は、当事者又は参加人の一部が出頭しないときであっても、聴聞の期日における審理を行うことができる。

6 聴聞の期日における審理は、市の行政庁が公開することを相当と認めるときを除き、公開しない。

(陳述書等の提出)

第22条 当事者又は参加人は、聴聞の期日への出頭に代えて、主宰者に対し、聴聞の期日までに陳述書及び証拠書類等を提出することができる。

2 主宰者は、聴聞の期日に出頭した者に対し、その求めに応じて、前項の陳述書及び証拠書類等を示すことができる。

(続行期日の指定)

第23条 主宰者は、聴聞の期日における審理の結果、なお聴聞を続行する必要があると認めるときは、更に新たな期日を定めることができる。

2 前項の場合においては、当事者及び参加人に対し、あらかじめ、次回の聴聞の期日及び場所を書面により通知しなければならない。ただし、聴聞の期日に出頭した当事者及び参加人に対しては、当該聴聞の期日においてこれを告知すれば足りる。

3 第16条第3項の規定は、前項本文の場合において、当事者又は参加人の所在が判明しないときにおける通知の方法について準用する。この場合において、同条第3項中「不利益処分の名宛人となるべき者」とあるのは「当事者又は参加人」と、「掲示を始めた日から2週間を経過したとき」とあるのは「掲示を始めた日から2週間を経過したとき(同一の当事者又は参加人に対する2回目以降の通知にあっては、掲示を始めた日の翌日)」と読み替えるものとする。

(当事者の不出頭等の場合における聴聞の終結)

第24条 主宰者は、当事者の全部若しくは一部が正当な理由なく聴聞の期日に出頭せず、かつ、第22条第1項に規定する陳述書若しくは証拠書類等を提出しない場合、又は参加人の全部若しくは一部が聴聞の期日に出頭しない場合には、これらの者に対し改めて意見を述べ、及び証拠書類等を提出する機会を与えることなく、聴聞を終結することができる。

2 主宰者は、前項に規定する場合のほか、当事者の全部又は一部が聴聞の期日に出頭せず、かつ、第22条第1項に規定する陳述書又は証拠書類等を提出しない場合において、これらの者の聴聞の期日への出頭が相当期間引き続き見込めないときは、これらの者に対し、期限を定めて陳述書及び証拠書類等の提出を求め、当該期限が到来したときに聴聞を終結することとすることができる。

(聴聞調書及び報告書)

第25条 主宰者は、聴聞の審理の経過を記載した調書を作成し、当該調書において、不利益処分の原因となる事実に対する当事者及び参加人の陳述の要旨を明らかにしておかなければならない。

2 前項の調書は、聴聞の期日における審理が行われた場合には各期日ごとに、当該審理が行われなかった場合には聴聞の終結後速やかに作成しなければならない。

3 主宰者は、聴聞の終結後速やかに、不利益処分の原因となる事実に対する当事者等の主張に理由があるかどうかについての意見を記載した報告書を作成し、第1項の調書とともに市の行政庁に提出しなければならない。

4 当事者又は参加人は、第1項の調書及び前項の報告書の閲覧を求めることができる。

(聴聞の再開)

第26条 市の行政庁は、聴聞の終結後に生じた事情にかんがみ必要があると認めるときは、主宰者に対し、前条第3項の規定により提出された報告書を返戻して聴聞の再開を命ずることができる。第23条第2項本文及び第3項の規定は、この場合について準用する。

(聴聞を経てされる不利益処分の決定)

第27条 市の行政庁は、不利益処分の決定をするときは、第25条第1項の調書の内容及び同条第3項の報告書に記載された主宰者の意見を十分に参酌してこれをしなければならない。

第3節 弁明の機会の付与

(弁明の機会の付与の方式)

第28条 弁明は、市の行政庁が口頭ですることを認めたときを除き、弁明を記載した書面(以下「弁明書」という。)を提出してするものとする。

2 弁明をするときは、証拠書類等を提出することができる。

(弁明の機会の付与の通知の方式)

第29条 市の行政庁は、弁明書の提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う場合には、その日時)までに相当な期間をおいて、不利益処分の名宛人となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。

(1) 予定される不利益処分の内容及び根拠となる条例等の条項

(2) 不利益処分の原因となる事実

(3) 弁明書の提出先及び提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う場合には、その旨並びに出頭すべき日時及び場所)

(聴聞に関する手続の準用)

第30条 第16条第3項及び第17条の規定は、弁明の機会の付与について準用する。この場合において、第16条第3項中「第1項」とあるのは「第29条」と、「同項第3号及び第4号」とあるのは「同条第3号」と、第17条第1項中「前条第1項」とあるのは「第29条」と、「同条第3項後段」とあるのは「第30条において準用する第16条第3項後段」と読み替えるものとする。

第4章 行政指導

(行政指導の一般原則)

第31条 行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、当該市の機関の任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならないこと及び行政指導の内容があくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであることに留意しなければならない。

2 行政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。

3 この章の規定は、公益を実現する目的で行われる行政指導を妨げるものではない。

(申請に関連する行政指導)

第32条 申請の取下げ又は内容の変更を求める行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、申請者が当該行政指導に従う意思がない旨を表明したにもかかわらず当該行政指導を継続すること等により当該申請者の権利の行使を妨げるようなことをしてはならない。

2 前項の規定において、申請者が行政指導に従わないことにより公の利益に著しい障害を生ずるおそれがあり、かつ、社会通念上許容できないと認められる特段の事由がある場合は、前項の規定にかかわらず、当該行政指導に携わる者が当該行政指導を継続することができる。

(許認可等の権限に関連する行政指導)

第33条 許認可等をする権限又は許認可等に基づく処分をする権限を有する市の機関が、当該権限を行使することができない場合又は行使する意思がない場合においてする行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、当該権限を行使し得る旨を殊更に示すことにより相手方に当該行政指導に従うことを余儀なくさせるようなことをしてはならない。

(行政指導の方式)

第34条 行政指導に携わる者は、その相手方に対して、当該行政指導の趣旨及び内容並びに責任者を明確に示さなければならない。

2 行政指導に携わる者は、当該行政指導をする際に、市の機関が許認可等をする権限又は許認可等に基づく処分をする権限を行使し得る旨を示すときは、その相手方に対して、次に掲げる事項を示さなければならない。

(1) 当該権限を行使し得る根拠となる法令の条項

(2) 前号の条項に規定する要件

(3) 当該権限の行使が前号の要件に適合する理由

3 行政指導が口頭でされた場合において、その相手方から前2項に規定する事項を記載した書面の交付を求められたときは、当該行政指導に携わる者は、行政上特別の支障がない限り、これを交付しなければならない。

4 前項の規定は、次に掲げる行政指導については、適用しない。

(1) 相手方に対しその場において完了する行為を求めるもの

(2) 既に文書(前項の書面を含む。)又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)によりその相手方に通知されている事項と同一の内容を求めるもの

(複数の者を対象とする行政指導)

第35条 同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導をしようとするときは、市の機関は、あらかじめ、事案に応じ、これらの行政指導に共通してその内容となるべき事項を定め、かつ、行政上特別の支障がない限り、これを公表しなければならない。

(行政指導の中止等の求め)

第35条の2 法令に違反する行為の是正を求める行政指導(その根拠となる規定が法律又は条例に置かれているものに限る。以下この条及び次条において同じ。)の相手方は、当該行政指導が当該法律又は条例に規定する要件に適合しないと思料するときは、当該行政指導をした市の機関に対し、その旨を申し出て、当該行政指導の中止その他必要な措置をとることを求めることができる。ただし、当該行政指導がその相手について弁明その他意見陳述のための手続を経てされたものであるときは、この限りでない。

2 前項の申出は、次に掲げる事項を記載した申出書を提出してしなければならない。

(1) 申出をする者の氏名又は名称及び住所又は居所

(2) 当該行政指導の内容

(3) 当該行政指導がその根拠とする法律又は条例の条項

(4) 前号の条項に規定する要件

(5) 当該行政指導が前号の要件に適合しないと思料する理由

(6) その他参考となる事項

3 当該市の機関は、第1項の規定による申出があったときは、必要な調査を行い、当該行政指導が当該法律又は条例に規定する要件に適合しないと認めるときは、当該行政指導の中止その他必要な措置をとらなければならない。

第4章の2 処分等の求め

第35条の3 何人も、法令に違反する事実がある場合において、その是正のためにされるべき処分又は行政指導がされていないと思料するときは、当該処分をする権限を有する行政庁又は当該行政指導をする権限を有する市の機関に対し、その旨を申し出て、当該処分又は行政指導をすることを求めることができる。

2 前項の申出は、次に掲げる事項を記載した申出書を提出してしなければならない。

(1) 申出をする者の氏名又は名称及び住所又は居所

(2) 法令に違反する事実の内容

(3) 当該処分又は行政指導の内容

(4) 当該処分又は行政指導の根拠となる法律又は条例の条項

(5) 当該処分又は行政指導がされるべきであると思料する理由

(6) その他参考となる事項

3 当該行政庁又は市の機関は、第1項の規定による申出があったときは、必要な調査を行い、その結果に基づき必要があると認めるときは、当該処分又は行政指導をしなければならない。

第5章 届出

(届出)

第36条 届出が届出書の記載事項に不備がないこと、届出書に必要な書類が添付されていることその他の条例等に定められた届出の形式上の要件に適合している場合は、当該届出が条例等により当該届出の提出先とされている機関の事務所に到達したときに、当該届出をすべき手続上の義務が履行されたものとする。

第6章 行政計画

(行政計画の決定手続に関する一般原則)

第37条 市の機関が法令又は条例に基づいて行政計画を策定するに当たっては、行政上特段の支障がない限り、所定の条件を付して計画案を市民の縦覧に供したうえ、公聴会及び地域別説明会などの市民参加手続の方式を経て市民の意見が十分反映されたものとして決定するように努めなければならない。

(多数の市民が参加する手続)

第38条 市の機関は、前条に規定する市民参加手続の設営に関してはそれを実施することにより、できる限り多数の市民の共通意見の集約であることに留意するものとする。

(行政計画の決定の公示)

第39条 市の機関は、市民参加手続を経たものとして行政計画を決定したときは、法令又は他の条例に特別の定めがない限り、市民参加手続の経緯の要約及び最終決定内容の選択の理由を記した文書とともに、速やかに決定計画を公示するように努めなければならない。

第7章 雑則

(条例の担保)

第40条 市のすべての執行機関及び職員は、第1条に定める目的を責任をもって自覚するとともに、効果ある条例として機能するよう日常の執務要領を整える等により、市民の信頼に応えるように努めなければならない。

(施行期日)

1 この条例は、平成8年10月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行前に第16条第1項又は第29条の規定による通知に相当する行為がされた場合においては、当該通知に相当する行為に係る不利益処分の手続に関しては、第3章の規定にかかわらず、なお従前の例による。

3 この条例の施行前に、届出がされた後一定期間内に限りすることができることとされている不利益処分に係る当該届出がされた場合においては、当該不利益処分に係る手続に関しては、第3章の規定にかかわらず、なお従前の例による。

(諏訪市税条例の一部改正)

4 諏訪市税条例(昭和26年6月14日公布)の一部を次のように改正する。

(次のよう略)

(平成12年3月28日条例第7号抄)

(施行期日)

1 この条例は、平成12年4月1日から施行する。

(諏訪市行政手続条例の一部改正に伴う経過措置)

2 この条例の施行の日前にされた改正前の諏訪市行政手続条例第5条の規定による手続については、なお従前の例による。

(平成12年3月28日条例第15号抄)

(施行期日)

1 この条例は、平成12年4月1日から施行する。

(平成18年3月27日条例第7号)

この条例は、平成18年4月1日から施行する。

(平成19年9月25日条例第21号抄)

(施行期日)

1 この条例は、平成19年10月1日から施行する。

(平成27年3月18日条例第3号)

(施行期日)

1 この条例は、平成27年4月1日から施行する。

(諏訪市税条例の一部改正)

2 諏訪市税条例(昭和26年6月14日公布)の一部を次のように改正する。

(次のよう略)

諏訪市行政手続条例

平成8年3月25日 条例第1号

(平成27年4月1日施行)

体系情報
第3類 職制及び処務/第1章
沿革情報
平成8年3月25日 条例第1号
平成12年3月28日 条例第7号
平成12年3月28日 条例第15号
平成18年3月27日 条例第7号
平成19年9月25日 条例第21号
平成27年3月18日 条例第3号