○諏訪市議会ハラスメント根絶及び防止条例

令和8年3月23日

条例第1号

市民から負託を受けた議員は、公共の福祉の増進を図ることを基本とするとともに、その役割を深く自覚し、品位と名誉を守り、本市の発展のために尽力しなければならない。

ハラスメントは、相手の人格及び尊厳を侵す人権問題であり、被害者の心身に影響を及ぼすとともに、職務の遂行を妨げ、市民サービスの低下を招き、ひいては諏訪市議会(以下「議会」という。)に対する社会の信用及び信頼を損なう行為である。そのため、議会は、ハラスメントを防止し根絶することを決意し、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、議員によるハラスメントの根絶を目指し、未然防止及び迅速かつ適切な対応を図るための基本事項を定め、もって市民から信頼される品格ある議会の実現に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) ハラスメント 職場等における次に掲げる行為をいう。

 パワー・ハラスメント 職務に関して優越的な関係を背景として行われる言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、相手方に対して精神的若しくは身体的な苦痛を与え、相手方の人格若しくは尊厳を害し、又は相手方の職務及び職場環境を害する行為

 モラル・ハラスメント 道徳若しくは倫理から外れた言動又は態度により、相手方に対して精神的若しくは身体的な苦痛を与え、相手方の人格又は尊厳を害し、又は相手方の職務及び職場環境を害する行為

 セクシャル・ハラスメント 他の者を不快にさせる性的な言動により、相手方に対して精神的な苦痛を与え、相手方の人格若しくは尊厳を害し、又は相手方の職務及び職場環境を害する行為

 アルコール・ハラスメント 飲酒の強要、飲酒に関する嫌がらせその他の飲酒に関わる迷惑行為

 その他のハラスメント からに掲げるもののほか、社会通念に照らして人権侵害と認められる行為

(2) 議員 諏訪市議会議員をいう。

(3) 職員 地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する一般職の職員、同条第3項第1号から第3号の2及び第3号から第5号に規定する特別職の職員(議員を除く。)、同法第22条の2に規定する会計年度任用職員その他市の業務に従事する職員をいう。

(適用範囲)

第3条 この条例は、議員が議員、職員、市民等に対して行ったハラスメントに関して生じた問題について適用する。

(議員の責務)

第4条 議員は、市民の代表者として常に高い倫理観を持ち、ハラスメントが個人の人格及び尊厳を不当に侵す人権侵害に当たることを認識し、ハラスメントの根絶及び防止に努めなければならない。

2 議員は、自らの行為にハラスメントがあると他の者から疑われたときは、誠実な態度を持って事実を明らかにし、説明責任を果たさなければならない。

3 次に掲げる行為がハラスメントとなり得ることを十分認識し、誠実かつ適切に議員活動を行わなければならない。

(1) 口頭、電話、文書、ソーシャルネットワーキングサービス、メール、掲示板等の手段による誹謗、中傷、事実に反する風説の流布等により、相手方の人格若しくは尊厳又は職場環境を害するような行為

(2) 職員に対する過大な要求、長時間の要望、交渉等に伴う拘束その他の行政運営を妨害する行為

4 議員は、ハラスメントに当たる行為があると認める事態に遭遇したときは、当該行為を行っている議員に対し、厳に慎むべき旨を指摘するよう努めるとともに、議長に当該事態を口頭又は書面にて報告しなければならない。

(議長の責務)

第5条 議長は、ハラスメントの根絶及び防止に努めるとともに、議員によるハラスメントに関する相談又は通報(以下「相談等」という。)を受けたときは、迅速かつ適切に必要な措置を講じなければならない。

(相談窓口の設置)

第6条 議長は、議員によるハラスメントに関する相談等に対応し、公正かつ円滑な解決を図るため、議会事務局にハラスメント相談窓口(以下「窓口」という。)を設置する。

2 窓口は、議会事務局局長及び次長(以下「窓口職員」という。)をもって構成する。

3 職員、市民等又は、議員は、議員によるハラスメントを受け、目撃し、又は、把握したときは、窓口に相談等をすることができる。

4 議会事務局次長は、相談等を受けたときは、速やかにその内容を議会事務局長に報告しなければならない。

5 議会事務局長は、前項の規定による報告又は相談等を受けたときは、速やかにその内容を議長に報告しなければならない。

(事実関係の把握等)

第7条 議長は、ハラスメントに関する相談等があったときは、相談者又は通報者若しくは当該事案の関係者(以下「関係者」という。)に対してその事実関係を把握するための調査を行わなければならない。

2 議長は、第1項の規定による調査の補助を窓口職員に行わせることができる。

(審査委員会)

第8条 議長は、ハラスメントに関する相談等を解決するために必要があると認めるときは、議会運営委員会に諮り、専門的知識及び経験を有する者からなる審査委員会(以下「委員会」という。)を速やかに設置し、当該事案について審査を行うことができる。

2 委員会は、公平かつ中立的な立場で審議を行う。

3 委員の人数、任期、選任方法その他必要な事項は、議会運営委員会に諮って定める。

(協力義務)

第9条 第7条第1項の規定による調査及び、第8条第1項の規定による審査を行うときは、ハラスメントの関係者は、これに協力しなければならない。

(報告)

第10条 委員会は、審査等を終了したときは、その結果を議長に報告するものとする。

(対応措置)

第11条 議長は、第7条第1項の規定による調査又は、委員会の審査により議員によるハラスメントが確認・認定されたときは、当該議員に対して調査結果又は、委員会報告の内容を通知し、指導、助言、注意等の必要な措置を講じなければならない。

2 議長は、調査対象となった関係者に対して、調査結果又は、委員会報告の内容及び講じた措置を通知しなければならない。

3 議長は、ハラスメントが確認・認定されなかったときは、関係者に対して、その結果を通知しなければならない。

4 第1項の規定による措置を実施するときは、ハラスメントの態様、悪質性、継続性等を踏まえ、公平性を確保しなければならない。

(公表等)

第12条 議長は、ハラスメントを行った議員に対して必要な措置を講じたときは、直ちに全員協議会を開催し、当該ハラスメントを行った議員の氏名、事案の概要及び講じた措置を報告しなければならない。この場合において、市のホームページ等への公表については、議会運営委員会に諮りその可否を決定する。

2 議員の氏名を公表するときは、認定されたハラスメントの概要と併せて公表するものとする。ただし、ハラスメントの概要を公表することにより、第7条第1項の規定による調査及び、第8条第1項の規定による審査の結果、被害者と認定された者(以下「被害者」という。)が特定されるおそれがあるときは、その一部を公表しないことができる。

3 被害者が公表を望まない旨を意思表示したときは、ハラスメントを行った議員の氏名及びその概要は公表しないものとする。

(プライバシーの保護)

第13条 議員、窓口職員及び委員会の委員は、関係者のプライバシーの保護に十分配慮するとともに、当該ハラスメントに関し、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。また、その職を退いた後も同様とする。

2 議員、窓口職員及び委員会の委員は、当該事案に関する相談等の対応に際しては、被害者が更なる精神的・社会的被害を受けることのないよう、十分な配慮をもって対応しなければならない。

3 議員及び窓口職員は、当該相談等の調査対象となった関係者を特定する行為を行ってはならない。

(調査及び研修等)

第14条 議長は、議員によるハラスメントの根絶及び防止を図るため、必要に応じて実態を把握するための調査を実施するとともに、議員に対し必要な研修等を定期的に実施しなければならない。

(議長の職務代行)

第15条 議長が調査の対象となったときは副議長が、議長及び副議長が共に調査の対象となったときは、議会運営委員会の委員長が、この条例に規定する議長の職務を行うものとする。

(継続的な検討)

第16条 議会は、この条例の目的が達成されているかどうかを2年ごとに検証し、必要があると認めたときは、この条例の改正を含めた適切な措置を講ずるものとする。

(委任)

第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、議長が別に定める。

この条例は公布の日から施行する。

諏訪市議会ハラスメント根絶及び防止条例

令和8年3月23日 条例第1号

(令和8年3月23日施行)