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市長施政方針~平成21年3月市議会定例会~

市長施政方針~平成21年3月市議会定例会~

最終更新日:2016年4月1日(金曜日) 06時28分 コンテンツID:2-2-7736-1907

 本日ここに平成21年第2回諏訪市議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位のご参集をいただき、平成21年度予算案をはじめ、数多くの議案についてご審議いただきますことに対し、厚くお礼申し上げます。

 平成21年度の当初予算案並びに関係議案をご審議いただくにあたり、私の市政に臨む基本的な考え方、予算編成の方針及び大要を申し上げ、議員各位並びに市民の皆さんのご理解とご協力をお願いする次第であります。  

 さて、平成19年4月の統一地方選挙において、多くの市民の皆さんから力強いご支援をいただき、市長として三期目の重責を担うことになりましたが、早いものでもうすぐその任期も折り返し点を迎えようとしています。平成11年4月に私が最初に市長に就任したときから通算しますと、ここで10年の節目の年が終わろうとしております。  
 「十年一昔」と以前は言われておりましたが、近年は特に世の中の動きが劇的に早まっており、政治の世界でもこの10年間で日本の総理大臣は実に6名が入れ替わっております。今信頼を寄せているものが次の年には消えてしまう、そんな不安に駆られる状況と言えるかもしれません。  
 今、わが国は経済不況の真只中にありますが、どんなに苦しいときであっても私たちはそれぞれの幸福を求めて、前に進んでいかなくてはなりません。私は行政を執行する責任者として、この10年間の経験と、皆様から寄せられました叱咤激励の声を糧として、どんな状況であっても前向きな姿勢で、市役所から元気を発信し、やる気と根気を持ってその責任を果たして行こうと、気持ちを新たにするところであります。    

 さて、新年度に予定している主要事業についてお話させていただく前に、改めて昨年を振り返ってみますと、世相を表す漢字として「変」が選ばれたように、まさに激動の一年でありました。
 経済面では、一昨年からの原油価格の急騰・急落、アメリカ発の世界的金融危機に端を発した株価暴落、円高ドル安の進行等により、企業経営は急激に悪化し、雇用問題にも深刻な影響を及ぼしています。特に昨年末から始まったいわゆる「派遣切り」など非正規労働者を中心とした人員整理は年度末には全国で12万人を超えると言われ、この流れはなかなか治まりそうにありません。また、社会的には、次々に発覚する民間企業の食品偽装や、法を守るべき公的機関の不正も残念ながら連日メディアをにぎわせました。また、4月からスタートした後期高齢者医療制度の混乱や深刻な医師不足など、国民の命を守る医療の現場も大きく揺れ動きました。  
 このように、不安と不信が世界中を駆け巡る中で、1月にはアメリカ合衆国に黒人として初めてオバマ氏が第44代大統領に就任しました。全世界が注視する中、オバマ大統領は就任演説で現在の危機的状況を一部の者の責任だけでなく、我々全員の失敗の結果であるとし、エネルギー消費の仕方が地球を脅かしていること、奉仕の精神をもつこと、そして一人一人が自分自身と自分の国、世界に義務を負うことを認識するよう訴え、「新しい責任の時代」に入ることを強調しました。  
 日本では、麻生総理大臣が1月の第171回国会における施政方針演説の中で「新しい時代に入ろうとしている世界で日本が果たすべきは“新しい秩序創りへの貢献”であり、日本自身の目指すべきは“安心と活力ある社会”である」と述べました。世界経済の新しいルール創りに積極的に貢献し、世界に類を見ない高齢化を社会全体で支えあう安心できる日本、世界的な課題を創意工夫と技術で克服する活力ある日本を目指すために、新年度予算を「生活者防衛のための大胆な実行予算」と銘打って、政策の重点を「生活者」、「中小企業」、「地方」の3点に置くとしました。  
 二つの演説はいずれも一人のカリスマ的な独裁者が意のままに国や世界を動かすのではなく、そこに生きている全ての人が、自分や周りの人々の幸せを願い、そのために精一杯やるべきことをやり、責任を果たし合うこと、そして国はそうした人々の営みをしっかりと支えていくことの重要性を訴えているのではないでしょうか。要は、誰かがやってくれるのではなく、一人一人が主人公となって、この「百年に一度」と言われる危機的状況に自ら立ち向かっていくことが何よりも大切であるということであります。
 私は、三期目の市政運営に当たり、ともに生きるまちづくりを進めるため、「安全・安心」、「生活の豊かさと質の向上」、「市民生活を支える産業振興」の三つをキャッチフレーズにマニフェストを示しました。この2年近くで多くの市民の皆さんのご理解とご協力を得て、諏訪警察署の移転新築や、上諏訪駅前サンロードの拡幅、小中学校の耐震改修、辻と小径のまちづくり等懸案であった事業も動き出し、まちづくりの形が見え始めてきました。また、ここ数年訴えてまいりました使い切り予算からの脱却も職員の中に浸透し、厳しい財政状況の中で市民の皆さんとの協働を進めながら市政を進めてくることができました。
 厳しい時代だからこそ、その先にある明るい未来を目指して、市民と行政が知恵と力を出し合い、お互いの責任を果たす中でスクラムを組んで苦しい時代を乗り切っていきたいと存じます。  
 新年度も「ともに生きるまちづくり」を機軸に、市民の皆さんとの確かな信頼関係を積み重ね、現代の荒波にも柔軟に対応できる諏訪市のまちづくりを着実に進めてまいりたいと存じます。市民の皆さん、並びに議員各位の格段のご理解、ご協力をお願い申し上げる次第です。

 以上、市政を運営するにあたっての私の基本姿勢を申し上げました。続いて、平成21年度の主要な施策について、第四次諏訪市総合計画後期基本計画に沿って、主な事業をご説明申し上げます。

まず、第1は、「自然と調和した快適環境の都市」についてであります。
 諏訪市には諏訪湖・霧ヶ峰をはじめとするすばらしい自然の恵みや、私たちの生活に欠かせないきれいな水、潤いを与えてくれる温泉など、全国に誇るべき自然資源があります。こうした環境を保全し、後世へ残していくことは私たちの重要な責務であります。
 新年度も水の安定供給のために、昨年に引き続き配水池の安全対策として、茶臼山配水池大正池の改修工事を実施します。この工事終了により、市内の1,000立方メートル以上の全ての配水池の安全対策が確保されることになります。また、美味しい水を生み出す源となる、里山の保全につきましては、霧ヶ峰高原の火入れや雑木処理を継続して実施しておりますが、更に昨年長野県が導入しました「森林づくり県民税」の活用により、豊田有賀区及び中洲神宮寺区の皆さんとともに地域の個人所有林の間伐推進の取り組みが始まりました。新年度は湖南の北真志野と南真志野地区が参加する予定であり、積極的に森林づくり県民税の活用を進めてまいります。
 次に、市民の日常生活における環境保全の大切な取り組みとして、家庭や事業所から出るごみの適正な処理があります。諏訪市では環境関係団体や各種事業関係者、廃棄物処理業者及び一般市民の有志の皆さんで組織する「エコプロジェクトすわ」とともに、主にごみの分別の推進により燃やすごみの減量化と資源のリサイクルを進めております。本年度における燃やすごみの量は前年度に比べて約6%の減量になる見込みであり、確実に成果が現れております。更に、新年度には市指定ごみ袋の統一化について、平成22年度以降の本格実施へ向けて、11月から試験的に市が一元管理することとし、販売価格の統一化を図るなど、市民の皆さんの利便性の向上と燃やすゴミの減量を強力に進めてまいります。また、昨年の秋から福祉作業所「さざ波の家」において開始した「生ごみ拠点回収堆肥化モデル事業」は110名を超える登録者があり、1日平均約70kgの生ごみが回収・処理されています。更に、剪定木のチップ化につきましては昨年約260トンの剪定木を回収し、燃やさずにチップ化処理して活用を図りました。新年度にはこうした取り組みを継続・拡大してまいります。
 岡谷市・下諏訪町と協議を進めております湖周地区のごみ処理施設につきましては、今後、事業主体となる一部事務組合を立ち上げ、具体的な地域計画の策定を進めてまいります。
 また、上川アメニティパークについては、新たな施設の建設地が昨年8月に豊田文出の諏訪中央公園隣接地に決定しました。新年度には新施設建設に向けた用地買収、更に工事の着工が予定されており、諏訪市として応分の負担をしてまいります。
 公共下水道事業については、本年度末に普及率が97.9%に達する見込みであります。新年度は98.3%の普及率を目標に継続して整備を進めます。なお、下水道使用料につきましては、有収水量の減少により、新年度以降特別会計の赤字が見込まれております。今後3年間で不足する額を勘案して、新年度には値上げをさせていただきたいと思っております。市民の皆さんのご理解とご協力をお願いしたいと存じます。

第2は、「福祉・保健・医療の充実した都市」についてであります。
 はじめに子育て支援について申し上げます。諏訪市で生まれ育ってゆく子どもたちを守り、自立した大人へと導いていくことは、家庭や地域社会全体にとって大切な、欠かすことのできない営みであります。行政としても、積極的に施策を展開してまいりたいと存じます。  
 昨年6月には、片羽保育園を改築し、市内公立保育園初の2階建て園舎として開園いたしました。駅前の中心市街地の中で、特別保育事業への対応や子育て支援ルームを備えた保育園に子どもたちの明るい笑い声が戻ってまいりました。本年度末までに全公立保育園に自動除細動器を設置し、新年度には、昭和56年以前に建築された九つの保育園について施設の耐震診断も実施いたします。大切な子どもたちの安全を確保するための取り組みを進めます。
 また、城北及び渋崎の2園で本年度実施した「芸術保育事業」は子どもたちが美術を通して楽しみながら創作の喜びを味わうことができ、新年度も継続してまいりたいと存じます。臨床心理士の配置による保育園の巡回など「気になる子」への直接的な支援や、保護者への心理的サポートも効果をあげており、引き続き実施してまいります。また、健康福祉部と教育委員会の関係各課や家庭相談員、教育相談員、所管の障害児施設等の連携を密にするため、「庁内ネットワーク組織」を立ち上げ、発達障害児を含めた「気になる子」への支援を強化してまいります。更に、近隣市の施設を利用して実施しております病児病後児保育の利用者への助成については継続するとともに、新年度はひなどり保育園園児の体調不良児対応保育に対しても助成することといたしました。
 児童センターで実施している中学生と乳幼児親子とのふれあい事業「どきどきだっこ」については、新年度には実施中学校の拡充を進め、このほか中高生の相談体制も強化するとともに、高校生による自主運営活動を支援するなど中高生の健全育成にも力を注いでまいります。
 新年度はこれら子育て支援の総合的な指針となっている、現在の「諏訪市次世代育成支援行動計画」を見直し、平成22年度から26年度までの5年間の行動計画を策定いたします。
 次に、社会福祉関係では、本年度、地域福祉計画と障害者福祉計画の見直しを行い、新しい計画に沿って積極的に施策を進めてまいります。
 昨年12月には福祉作業所「さざ波の家」の増改築工事が竣工し、定員を8名増員して30名とし、より多くの障害者の自立支援の場として運営してまいります。また、社会福祉協議会が引き続き指定管理者として管理運営を行うこととなった諏訪市総合福祉センターは、新年度には開館以来の入場者が80万人を達成する見込みあり、これからも市民の地域福祉活動及び健康づくりの拠点として有効活用を図ってまいります。更に、地域の共同浴場のバリアフリー化の助成事業も継続し、高齢者や障害者の地域生活における自立生活を支援いたします。
 急激な景気の悪化、長引く経済不況により失業者の増加、生活困窮者からの生活保護相談の増加が予想されます。窓口においては迅速で適切な対応を心がけ、相談者の支援に努めていきたいと存じます。   
 続いて、高齢者福祉の面では、地域包括支援センターにおける介護予防教室として、芸術療法による認知症予防・改善教室、水中運動教室、低栄養改善・口腔ケア教室を継続的に開催し、本年度も多くの方に参加していただき、効果を上げております。新年度も地域施設等での展開を図るなど、一層充実させてまいります。8月には諏訪市高齢者虐待予防ネットワーク運営委員会を設置し、高齢者の虐待防止・早期発見の体制作りが進みました。今後も有効に活用し、安心して生活できる環境を守っていきたいと存じます。また、年度末までに平成21年度から23年度を計画期間とする高齢者福祉計画及び介護保険事業計画を策定いたします。今回の見直しでは、高齢者が介護を要する状態となってもできる限り自宅で自立した生活を送れるように、真に必要な介護サービスを総合的・一体的に提供することを目指して、従来の要介護状態への対応から、要介護状態への移行を予防するサービスへと大幅に改正されました。この計画は、諏訪広域連合第4期介護保険事業計画との整合を図り、保険料の設定や給付について適正な運用を行います。   
 新年度は、特に支援が必要な「特定高齢者」を適切に把握し、重点的に介護予防事業による支援を行うほか、介護者や介護従事者を対象に、認知症の正しい理解と地域全体で支えるための「認知症予防講演会」も開催する予定です。 
 さて、保健・医療については、昨年4月から「後期高齢者医療制度」が導入されました。制度施行前から再三見直しを行い、事務が煩雑化するとともに被保険者の間に混乱が見られましたが、それらもようやく落ち着いてまいりました。医療制度改革により、従来の市民健診に代わり「特定健診」が保険者の責任において実施されることになりましたが、初年度の特定健診の諏訪市の受診率は目標である45.6%を超えております。これは市民の健康に対する関心の高さを示すものであり、今後も積極的に取り組んでまいります。
 新年度は妊婦健診の公費負担回数を本年度の5回から14回に増やすとともに、市民が県外へ里帰りをして出産する場合の受診に対する助成を新設したほか、不妊治療に係る助成予算も大幅に増額いたします。
 また、松本大学との連携により本年度から開催した、「メタボ撃退セミナー」や男性限定のエクササイズを取り入れた健康増進事業は概ね予定した人数の参加があり、順調に進んでおります。新年度も継続して取り組んでまいります。
 次に、市民の健康づくりの拠点と位置づけて運営してまいりましたすわっこランドは昨年、浴室脱衣所の拡張等施設整備を実施し、特定健診結果による健康づくり教室の受け皿としても活用を広げる中で、2月6日には、開館以来の入場者100万人を達成いたしました。すわっこランドは、幼児から高齢者、アスリートから初心者まで、あらゆる方々を受け入れることが可能な、近隣市町村にはない施設です。ご利用いただきました皆様に感謝申し上げるとともに、これからも市民をはじめ観光客の皆さんなど多くの方々に愛される施設となるよう、努力を重ねてまいります。

第3は、「教育の充実と文化にはぐくまれた都市」についてであります。
 世界的な経済危機や民族間の対立、更に国内の政治的混乱やネットカフェ難民と呼ばれる若者の増加など、将来に不安を抱かせるニュースが多い中で、今の子どもたちに将来に向かって夢や希望を持ち、その夢や希望に向かって精一杯の努力を惜しまない生き方を伝えていくためには、私たち大人がいかにいきいきとした姿を見せられるかが大切だと考えます。こんな時代であればこそ、困難を乗り越えてより良い社会を作り出していく知恵と、忍耐力そして多くの人たちとともに支え合うための協調性や行動力を養っていくことが求められています。行政としても、そのための教育環境の整備を進めていかなければならないと存じます。
 本年度から市内全小中学校で「相手意識に立つものづくり科」を新設し、地元企業やサポーターの協力を受け、地域の産業への関心や職業観、勤労意欲の育成と道具の使い方や技術の向上、更には豊かな発想や工夫・思いやりの心の育成をめざした取り組みが始まりました。取り組みの成果としては、「児童の集中力や積極性が向上し、他の教科にも良い影響がある」、「体験の深まりにより、将来への夢や仕事に対するあこがれを持つなど、生きる力の育成に効果がある」、「相手を思いやる温かな心情の育成や、ものの見方や考え方の幅が広がり、見通す力の育成に成果が見られる」等が現場の声としてあげられております。昨年12月20日にはまるみつ百貨店の5階賑わい広場において「ものづくり学習」で制作した作品の販売体験として10校が合わせて1907点の作品を持ち寄り、賑やかに「チャレンジショップ」が開催されました。また、文部科学省の支援もあり、従来から学校ごとに行われていた地域でのキョロブラ運動や保護者による学校での読み聞かせ、学習支援活動などを各学校区ごとに再組織化し、学校・家庭・地域が一体となって地域ぐるみで子どもを育てる「学校支援地域本部」を設置しました。新年度は学校教育を地域とともに推進するためのこうした動きが有効に機能するように支援してまいりたいと存じます。
 学校施設整備としては、本年度で小中学校の耐震補強工事が終了しました。新年度は、平成18年5月に焼失した諏訪西中学校小体育館に代わる特別教室棟の整備を進めるとともに、豊田小学校について、校舎改築に向けた耐力度調査を行います。
 また、放課後児童クラブについては、保護者からの要望を受け、新年度から平日や長期休業中も含め、開設時間の見直しを行います。
 生涯学習関係については、新年度は河合曾良の300回忌に合わせてNHK学園との共催により、「河合曾良300回忌諏訪市俳句大会」を6月に開催いたします。俳句愛好者だけでなく多くの方々の参加をお願いいたします。
 芸術文化の分野では、昨年、開館以来の入場者が100万人に到達した原田泰治美術館をはじめ、美術館・博物館においても、市民の皆さんに心の潤いを感じていただけるような企画展を開催する予定です。博物館では「河合曾良展」を開催し、俳人松尾芭蕉との間柄や業績などについて紹介するとともに、平成22年の御柱祭関連事業として企画展「御柱祭と諏訪信仰展」等を開催し、御柱祭情報ブースも設置して、大型スクリーンによる映像放映や体験コーナーを通じて情報提供に努めます。
 次に、スポーツの分野では、新年度より施設予約システムの更新に合わせて、昨年12月の条例改正による各施設の利用時間帯を統一するほか、使用料の納付について、新年度からは申込窓口である諏訪湖スタジアム内スポーツ課でもできるようにするなど、利用者の利便性向上に努めてまいります。また、5月には中高年の男性にも参加しやすいように、日曜日の午前中にウォーキングやストレッチを内容とした健康づくり教室の開催を予定しています。普段なかなか運動する機会の少ない方々にも参加を呼びかけ、幅広い市民のスポーツ振興につなげていきたいと存じます。

第4は、「産業の活力あふれる都市」についてであります。  
 はじめに商工業の振興についてであります。「百年に一度」と言われる未曾有の経済不況の中、昨年11月には国や県の動きと合わせて「諏訪市緊急経済対策室」を商工課内に設置し、市内の事業所に対する相談及び金融支援に取り組んでまいりました。1月末現在で255件の相談を受け付け、12月に開始した諏訪市緊急経済対策資金の申請は81件あり、約9億円余りを融資したところです。今後も厳しい経済状況が続く中、金融相談及び資金融資、雇用情報等の提供など積極的に支援してまいりたいと存じます。
 また、昨年度開始した工場等立地促進助成事業については、本年度も19社より申請があり、引き続き支援いたします。蔵前・如水・理窓連携企業振興セミナーは、本年度すでに2回開催し、合わせて約120名の企業経営者などの方々が参加されました。経営者に共通の最新情報を提供する場として本年度も継続して開催いたします。また、全国的に知名度が定着した「諏訪圏工業メッセ」については、本年度の直接的経済効果は約4億円と推計されており、諏訪から全国へ向けての工業イベントとして着実に成果を上げております。今後も支援を継続し、地元企業の育成と国内外への諏訪のPRを積極的に進めてまいります。新年度は企業用地や市の企業支援施策の情報をまとめた工業情報ホームページも作成し、諏訪市のホームページとリンクさせ、新たな企業進出希望者への情報提供を充実させてまいります。また、平成24年度には諏訪市と松本市を会場に技能五輪全国大会が開催されますが、同じく長野市で開催されることが決定した全国障害者技能競技大会と併せて、行政や民間関係者が共同して大会準備に取りかかっております。諏訪の技術力の向上と広く技能の素晴らしさを伝えるよい機会となるよう、積極的に協力してまいりたいと存じます。
 駅前の賑わい創出のため、まるみつ百貨店の一部を借り上げ昨年4月に開設した「賑わいひろば」は、書道展や写真展、各種絵画展など62件、延べ572日の利用があり、初年度の稼働率は52.4%でした。今後も幅広い市民の利用空間として、活用を促進したいと考えております。また、公設地方卸売市場については、新年度には青果棟の天井工事など、安全で安心できる食材の提供を確保するための施設整備を行います。  
 次に、観光の振興についてであります。本年度60回の記念大会となった諏訪湖祭湖上花火大会は、初島の改修も完了し、素晴らしい天候に恵まれる中、盛大に開催することができました。過日、長野経済研究所の発表ではこの花火大会の経済効果は66億円とされ、単発のイベントとしては全国的にも上位にあり、「諏訪湖の花火」を大きな諏訪ブランドとして、これからも活かしていけることが確認できました。また、昨年度から引き続き開催した「うめえもん市」や水陸両用バスの運行についても好評をいただき、諏訪湖を活用した新たな観光振興の主要な事業として、今後の取組みに期待が持てる状況となってまいりました。特に水陸両用バスの運行につきましては、この1月に諏訪市水陸両用バス導入協議会も発足し、新年度から民間の運営による通年運行の方向性が決まり、調整が進んでおります。
 また、霧ヶ峰スキー場については、本年度再生検討会を開き、リフト料金値下げやこども・シニア券の発行、ニュースポーツとしてのエアボードを導入するなど活性化に向けて取り組みを始め、1月末の時点では収入額は伸びておりませんが、リフト券の発行枚数や延べ利用者数は昨年の2割増となり、効果が現れ始めています。
 こうした多くの観光資源を活用して観光客数を増加させ、観光産業を中心に地域経済を活性化させるための基本的方向を、先頃「諏訪観光グランドデザインとアクションプラン」としてとりまとめました。外国人観光客の積極的な誘客も併せて、これからの諏訪地域の観光振興ビジョンとして活用してまいりたいと存じます。
 平成22年には御柱祭も開催されます。今回は諏訪大社だけでなく、地域の小宮祭も活用した体験事業など新たな仕掛けも企画しており、新年度は精力的に準備・調整を進めてまいります。  
 次に、農林漁業の振興については、国庫補助事業を導入し、農業者と地域住民共同の農地・水路等の保全活動への支援や、増加する鹿や猪などによる農作物被害の増大を防止するため、広域連携による駆除や捕獲、防護柵の設置に対する助成を継続するほか、農業用水の安定確保のため、県による蓼の海のため池整備へも積極的に協力してまいります。

第5は、「市民生活をささえる基盤が充実した都市」についてであります。
 まず、道路整備についてですが、国道20号から並木通りに通じる大手豊田線サンロードの道路改良事業は平成23年3月の完了を目指して順調に推移しておりますが、新年度は残り3軒分の用地・建物補償を進めるほか、踏切の拡幅の準備工事、電線共同溝の工事を行う予定であります。また、中央自動車道諏訪インターチェンジ周辺の四賀飯島地区の土地区画整理事業がいよいよ新年度から本格的に動き出します。本年度用途地区の指定及び特別用途地区の都市計画決定が行われたほか、事業認可、組合設立の準備が整いました。新年度は都市計画道路沖田線の用地取得及び移転補償に着手する予定であります。こうした二つの諏訪市の玄関口周辺の整備の進行とともに、県により進められている湖岸武津線の整備も新年度中には完了し、供用開始となる見込みです。これらの事業により、今後も諏訪市への人の流れの円滑化、イメージアップにつながるように積極的に取り組んでまいります。また国道20号バイパスについても、一日も早いルートの確定をめざして、関係機関や団体との連携を強め、国の事業の動きを見ながら早期建設促進を要望してまいります。
 次に、公営住宅ストック総合活用計画に基づく、老朽化した湖南の水戸代団地のリニューアル工事は、新年度も1棟4戸を改修してまいります。住居水準の向上を図り、高齢者等が安心して暮らせる住宅として改善を図ってまいります。
 また、湖畔公園の駐車場の一部について、台数を確保し、観光客用駐車場として適正利用を図るため統合し、年度内に一体的な駐車場としての整備を進めます。更に、上川アメニティパークの移転に併せて、建設予定地の隣接地を新年度から2カ年計画で「憩いの杜」として整備することといたしました。諏訪中央公園と合わせて周辺が快適な空間となるよう努めてまいります。  
 また、かりんちゃんバス、湖周のスワンバスについては、本年度も昨年度の利用者数を上回り、順調に事業が進んでおります。引き続き安全で安定した運行が確保できるよう支援いたします。

第6は、「国際化の先端を行く都市」についてであります。
 諏訪市の外国人登録者数は平成21年1月末現在1,852人で、多くの外国籍市民が居住しております。外国人の多くは就労を目的として来日しておりますが、昨年からの経済不況により、失業する方が増加しています。市民課内に相談窓口を設置していますが、相談件数は本年度12月末で527件に上り、急激に増加しております。内容は外国人登録や、各種証明の発行、納税相談、保健医療など市役所での手続等が主なものです。これまで週2回開設してまいりましたが、混雑する期間については週3回に増やすこととし、過日、新規に専用電話も設置して強化を図ったところでございます。新年度には外国籍市民生活ガイドパンフレットを改訂して市内の外国人に配布し、地域との共生を進めてまいります。
 次に、昨年5月に諏訪市日中友好協会の主催により、信州まつもと空港からのチャーター便による「中国大連市との交流諏訪市民号の旅」を実施しました。約100人の参加を得て、発展する大連開発区と諏訪ブースを訪れるとともに、周辺の観光地も回り、現在の中国を実感できたのではないかと存じます。諏訪市を訪れた約70人の大連市民の皆さんに対しては、歓迎行事として市内のホテルで太鼓や踊り、諏訪の名物でもある花火もお楽しみいただき、好評をいただいたところでございます。秋には大連市旅遊局と諏訪市観光協会の間で相互の観光促進のための観光協定も締結されました。新年度も再度、信州まつもと空港からのチャーター便により大連市への諏訪市民号を計画し、現在参加者の募集をしているところであります。隣国であります中国との交流を通じて、更なる国際交流の輪が広がるとともに、産業・観光振興につながることを期待しております。また、諏訪国際交流協会により実施されている姉妹都市セントルイス市との高校生生活体験派遣事業は、本年も9名の高校生がホームステイに参加する予定であり、継続して支援してまいります。

第7は、「防災と安全の都市」についてであります。  
 「安心・安全のまちづくり」は私の任期3期目のメインテーマとして掲げました。平成18年7月の豪雨災害による被害の復旧については、順調に工事が進み新川周辺整備を除き本年度でほぼ完了となってまいりました。ご協力いただきました多くの関係者の方々に対して心よりお礼を申し上げます。この体験を忘れることなく、これからも安全で安心して暮らしていけるまちづくりに努めてまいりたいと存じます。
 本年度も国内では6月に岩手・宮城で震度6クラスの地震が発生し、中国四川省では5月に大地震が発生、甚大な被害を受けました。また「ゲリラ豪雨」と呼ばれる狭い範囲での短時間集中豪雨による被害も各地で発生しました。災害対策の基本となる「地域防災計画」は本年度に、災害時において配慮が必要とされる高齢者や障害者のための「福祉避難所」を総合福祉センターやデイサービスセンター、城南保育園など5箇所を指定し、見直しを行いました。また緊急地震速報告知端末機も、小中学校、保育園、文化センターなど公共施設49箇所への設置が完了しました。今後、主要な施設については受信した緊急放送を施設内放送設備と接続し、情報伝達の更なるスピードアップを図ります。新年度には全国瞬時警報システムを整備し、地震速報などの緊急情報を防災行政無線の活用により広く伝達できるようにすると同時に、防災ラジオ希望者には2分の1の負担で購入できるようにいたします。更に、防災情報を携帯電話などにメールで配信するシステムも整備するとともに、携帯電話が使用できなかった後山地区に移動通信用鉄塔を整備して情報格差の是正を図ることとしました。  
 自然災害防止のため、新年度も古川、新川左岸、板沢川の河川改良や築田、御蔵溝の2箇所の内水排除ポンプを更新します。また県が実施する新川激特事業に伴う市道橋の架け替えや、神戸・大熊・湯の脇の急傾斜地崩壊対策工事にも積極的に取り組んでまいります。
 このほか、災害対策本部となる市役所庁舎の耐震改修工事も新年度から2年間かけて実施します。各地区の公民館の耐震化や、自主防災組織に対する資機材の整備に係る補助など、市民の皆さんの防災活動に対する支援も継続してまいります。非常時に現場で対応する消防体制については、救急救命士を1名増員するほか、市内3地区の小型ポンプ購入に対して補助するなど、充実に努めます。いずれにしろ、各種災害に対する被害を最小限に押さえるべく整備を進め、自分たちの地域は自分たちで守る体制づくりに向けて積極的に支援をしてまいります。  

第8は、「よきふるさととしての都市」についてであります。  
 「辻と小径のまちづくり事業」は、地域で大切にされてきた優れた道路景観を、住民の自主的な保全と新たな空間整備の事業として活用されています。新年度から従来の単年度事業としての扱いを3年以内とし、時間をかけて取り組むことができるようにいたしました。市内にはまだまだとっておきの場所が残されているはずです。地域で協力し合い、宝の場所に磨きをかける取り組みに多くの市民の皆さんが参加していただけることを期待しております。また、「みんなですくらむ事業」の活用については、駅を中心とした周辺の方々により、本年度は駅前市民会館において古き良き時代の映画鑑賞の機会が創出され、好評でありました。この事業についてもこれまでの単年度から3年以内とし、地域の実情に合わせた取り組みを可能としました。地域力向上やイベントの拡大など様々な活用が考えられますので、複数の地域や団体で協力し、積極的に取り組んでいただきたいと存じます。
 また、男女が対等のパートナーとして、あらゆる分野にその個性と能力を発揮できる社会を実現することは極めて重要です。昨年度策定しました「男女いきいき諏訪プラン4」の基本方針を全庁的に共有し、男女共同参画の一層の推進を図ってまいります。
 次に、旧東洋バルヴ工場跡地については、当面、工業メッセや「うめえもん市」など産業・観光振興による市民が集える場としての活用を継続してまいります。土地の取得基金にかかる寄附金募集については、民間の方々とともに組織を立ち上げ、事業所回りを行うなど寄附金集めの取り組みを進めてまいりました。多くの皆様のご協力により2月13日現在で1億5千8百万円に達しております。ご寄附いただきました方々や寄附募集に歩いていただいた方々に感謝申し上げます。今後も目標に向けて引き続き取り組んでまいります。市民の皆さんにおかれましても是非ご協力賜りますよう改めてお願い申し上げる次第であります。

 次に、これまで述べた施策の実現に向けての行財政運営の基本的事項について申し上げます。
 第一は、行政改革の取り組みについてであります。平成17年度に策定しました行財政改革プログラムの取り組みも計画期間の終期が近づいてまいりました。当初の目標を達成できる見込みではありますが、国や地方自治体をとりまく状況は厳しさを増しており、急激な経済状況の悪化により、適切な市民サービスの提供を維持し、新たな行政課題に取り組んでいくためには、今まで以上に経費の節減や効率的な事務執行を進めていかなければなりません。本年度末には、第4次諏訪市行政改革大綱の改訂版を策定いたします。計画期間は、改革プログラムの終期である平成22年度までの2年間とし、継続して行政改革に取り組みます。新年度の具体的な内容としては、本年度定めた協働の取り組みの基本方針に基づく市民と職員が共に学ぶ研修会の開催や、補助金交付規則の改正による、全ての補助金の取扱基準の様式統一化と積極的な情報公開の実施、各種外郭団体の自立へ向けた取り組みなどであります。新年度は市民満足度調査もリニューアルして実施いたします。
 第二は、税や使用料など、市の事業を進める財源確保についてであります。本年度水道料金の収納において導入しましたコンビニエンスストアでの納入を、新年度は「市県民税」、「固定資産税」、「軽自動車税」、「国民健康保険税」についても導入し、休日、夜間においても納入できるようにいたします。住民や納税者の利便性を向上させるとともに、収納率の向上を目指したものであります。新たな納税の便宜を図るとともに、滞納分の解消にも努めます。
 第三は行政情報システムの高度化と安全性の確保であります。現在市職員が業務で使用しているパソコンのシステムを新年度にはシンクライアント方式に移行し、情報漏えいの防止などセキュリティの向上を図ります。市民の情報源でもある市ホームページの利用を促進するため、高齢者や障害者でもアクセスしやすいようにリニューアルし、公共施設予約システムも更新します。各課で作成したお知らせをホームページとかりんチャンネルに即座に流すことができるシステムを導入し、より早く市の情報を発信できるようにするとともに、かりんチャンネルの副音声では自動音声による情報の読み上げも行えるようにいたします。    

 以上が新年度の主な取り組みであります。この後、新年度予算案の概要についてご説明いたしますが、新年度の予算編成にあたっては、厳しい経済不況による市税収入の減収を考慮する中で、各課所ごとに一般財源の枠配分及び経常的経費のゼロシーリングを実施し、一層の経費節減を図ることとしました。また、行政評価結果等を活用し、真に必要な事務事業を精査する中で効率的な予算配分に努めました。  

 以上、新年度予算案並びに各議案を提出するにあたり、私の所信の一端を申し上げました。議員各位をはじめ、市民の皆さんの温かいご理解とご支援を心よりお願い申し上げる次第であります。



   平成21年2月

諏訪市長  山 田 勝 文

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