○諏訪市景観条例
平成21年3月19日
条例第1号
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 景観計画の策定等(第4条―第7条)
第3章 行為の規制等(第8条―第15条)
第4章 景観重要建造物等
第1節 景観重要建造物の指定等(第16条―第20条)
第2節 景観重要樹木の指定等(第21条―第25条)
第5章 公共事業景観づくり指針(第26条)
第6章 景観づくり住民協定(第27条)
第7章 景観づくり団体の認定等(第28条)
第8章 補則(第29条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)の規定に基づき、景観計画の策定、行為の規制等について必要な事項を定めることにより、本市の特性及び個性を生かした美しく魅力ある景観づくりの推進を図り、もって市民の生活にゆとりと潤いをもたらし、地域の経済及び都市の健全な発展に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「景観づくり」とは、良好な景観を形成することのほか、本市の自然環境、社会環境、経済環境及び歴史文化に配慮しながら良好な景観を次世代に引き継ぐよう、市民、事業者、市がそれぞれの責務を遂行し、協働によりこれを保全し、育むことをいう。
(基本方針)
第3条 本市の景観づくりに関する基本方針及びこれに即して実施すべきものと考える施策の推進に関する基本方針は、諏訪市景観形成基本計画に定める基本方針(以下「基本方針」という。)とする。
第2章 景観計画の策定等
(景観計画)
第4条 法第8条第1項に規定する景観計画(以下「景観計画」という。)は、基本方針に即して定めるものとする。
2 景観計画においては、法第8条第2項各号に掲げるもののほか、次に掲げる事項を定めるものとする。
(1) 重点的に景観計画の実施を推進し、景観の整備を図る地区(以下「景観重点整備地区」という。)
(2) 景観づくりのための行為の制限に関する事項で、第10条後段に規定する措置の基準として必要なもの
3 景観重点整備地区は、次に掲げる地区のうち、景観づくりを行う上で特に重要なものとする。
(1) 山地、高原等の自然的景観を有する地区
(2) 田園、農地等の景観を有する地区
(3) 市街地景観を有する地区
(4) 諏訪湖畔、水辺の景観を有する地区
(5) 旧街道等を含む道路又は河川に沿った景観を有する地区
(6) 歴史的及び文化的な資源を有する地区
(7) 景観拠点を有する地区
(8) 前各号に掲げるもののほか、地区ごとに独自の基準を定めることにより、当該地区の特性及び個性を生かした景観づくりを積極的に図る必要がある地区
4 第2項第2号の景観づくりのための行為の制限に関する事項には、景観法施行令(平成16年政令第398号。以下「政令」という。)第5条各号に定める基準に従い、法第8条第4項第2号に規定する制限を定めるものとする。
(策定の手続)
第5条 市長は、景観計画を定めようとするときは、法第9条の規定によるほか、あらかじめ、市民及び当該景観計画に関係を有する者の意見を求めるために、規則で定めるところにより、その旨を公表するものとする。
2 前項の規定は、景観計画の変更(規則で定める軽微な変更を除く。)について準用する。
(景観計画の提案に係る一団の土地の区域の規模等)
第6条 政令第7条ただし書の規定により条例で定める規模は、法第81条第1項に規定する景観協定又は景観づくり住民協定の目的となる土地の区域に限り、0.1ヘクタールとする。
2 法第11条第2項の条例で定める団体は、景観づくり団体とする。
(景観重点整備地区における指導)
第7条 市長は、景観重点整備地区の土地又は建築物若しくは工作物(建築物を除く。以下同じ。)に関して、景観づくりを行う上で必要があると認めるときは、その所有者又は管理者に対し、当該景観重点整備地区における法第8条第4項第2号に規定する制限として景観計画に定められた制限に適合するよう必要な措置を講ずることを指導することができる。
第3章 行為の規制等
(届出事項等)
第8条 法第16条第1項の条例で定める事項は、同項各号に掲げる行為をしようとする者の氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地)並びに当該行為の完了予定日とする。
2 法第16条第1項の規定による届出は、規則で定める届出書に規則で定める図書を添付して行うものとする。
3 法第16条第1項第4号の条例で定める行為は、政令第4条第1号及び第4号に掲げる行為とする。
(届出を要しない行為)
第9条 法第16条第7項第11号の条例で定める行為は、次に掲げるものとする。
(1) 仮設の建築物又は工作物の新築、増築、改築、移転、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更
(2) 農林漁業を営むために行う土地の形質の変更
(3) 屋外における物件の堆積で、次に掲げるもの
ア 農林漁業を営むために行うもの
イ 堆積の期間が30日を超えて継続しないもの
(4) 規則で定める公共的団体が行う行為
(5) 法令の規定に基づき、許可若しくは認可を受け、又は届け出て行う行為のうち、景観づくりのための措置が講じられるものとして規則で定めるもの
(6) 法第16条第1項の規定による届出を要する行為(同項第2号に掲げる行為にあっては規則で定める工作物に係る行為に限り、景観重点整備地区における行為にあっては規則で定める行為に限る。)のうち、規則で定める規模のもの
(景観重点整備地区における区等への通知及び説明会の開催)
第11条 市長は、景観重点整備地区において、法第16条第1項の規定による届出又は同条第5項後段の規定による通知があったときは、当該届出又は通知に係る行為が、法第8条第2項の規定により景観計画に定められた同項第2号の行為の制限を超え、又は超えるおそれがあると認めるときは、その旨を当該届出又は通知に係る行為を行う土地の区域を管轄する区及び景観づくりに関する活動を当該区から委任された景観づくり団体(以下「区等」という。)の長に通知するとともに、当該届出又は通知に係る行為の概要を公表し、及び規則で定めるところにより、当該行為に係る書類を公衆の縦覧に供しなければならない。この場合において、当該書類に記録された個人情報については、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)の規定に従い取り扱うものとする。
2 前項の規定による通知を受けた区等の長は、当該通知に係る行為に関し景観づくりの推進の見地から意見があるときは、市長に当該意見を述べることができる。
4 市長は、前項の規定による申出を受けたときは、届出をした者に対し、規則で定めるところにより、説明会の開催を要請するものとする。
(特定届出対象行為)
第12条 法第17条第1項の条例で定める行為(以下「特定届出対象行為」という。)は、法第16条第1項第1号及び第2号に掲げる行為とする。
(標識の設置)
第13条 法第16条第1項の規定による届出又は同条第5項後段若しくは第10条前段の規定による通知(景観重点整備地区における行為に係る届出又は通知に限る。)をした者のうち、規則で定める規模を超える行為をするものは、当該届出又は通知をしてから当該届出又は通知に係る行為が完了するまでの間、規則で定めるところにより、当該行為を行う土地の区域内の公衆の見やすい場所に当該行為の種類、規模その他規則で定める事項を記載した標識を設置しなければならない。
2 諏訪市中高層集合住宅建築物の建築に関する条例(平成17年諏訪市条例第4号)第6条第1項の規定により設置された標識は、前項の規定により設置された標識とみなす。
(勧告等の手続)
第14条 市長は、法第16条第1項又は第2項の規定による届出があった場合において、当該届出に係る行為が景観計画に定められた当該行為についての制限に適合しないと認める場合であって、当該行為が景観づくりに与える影響が軽微であると認めるときは、当該届出をした者に対し、規則で定めるところにより、必要な措置をとるよう指導することができる。
2 市長は、法第16条第3項の規定による勧告(景観づくりに重大な影響を与えるものとして規則で定めるものに限る。以下同じ。)をし、又は法第17条第1項若しくは第5項の規定により必要な措置をとることを命じようとする場合において、必要があると認めるときは、あらかじめ、その勧告をし、又は必要な措置をとることを命じようとする行為が行われる土地の区域を管轄する区等及び諏訪市都市計画審議会(諏訪市都市計画審議会条例(昭和45年諏訪市条例第43号)第1条に規定する諏訪市都市計画審議会をいう。以下「審議会」という。)の意見を聴くものとする。
3 市長は、法第16条第3項の規定による勧告又は法第17条第1項若しくは第5項の規定による命令を受けた者がこれに従わないときは、規則で定めるところにより、その旨を公表することができる。この場合において、市長は、あらかじめ、規則で定めるところにより、当該勧告又は命令を受けた者に意見を述べる機会を与えなければならない。
(行為の着手の制限の期間の短縮)
第15条 市長は、法第16条第1項の規定による届出があった場合において、前条第1項の規定による指導又は法第16条第3項の規定による勧告をする必要がないと認めるときは、直ちに、当該届出をした者に対し、法第18条第2項の規定により期間を短縮する旨の通知をしなければならない。
第4章 景観重要建造物等
第1節 景観重要建造物の指定等
(景観重要建造物の指定の手続)
第16条 市長は、法第19条第1項の規定による景観重要建造物の指定をしようとする場合において、必要があると認めるときは、当該指定をしようとする建造物が存する土地の区域を管轄する区及び審議会の意見を聴くものとする。
2 市長は、法第19条第1項の規定による景観重要建造物の指定をしたときは、規則で定めるところにより、その旨を公表するものとする。
(景観重要建造物の管理の方法の基準)
第17条 法第25条第2項の規定により定める管理の方法の基準は、次に掲げるものとする。
(1) 景観重要建造物の修繕は、原則として当該修繕前の外観を変更することのないようにすること。
(2) 消火器の設置その他の景観重要建造物の防災上の措置を講ずること。
(3) 景観重要建造物の滅失を防ぐため、その敷地、構造及び建築設備の状況を定期的に点検すること。
(4) 前3号に掲げるもののほか、景観重要建造物の良好な景観の保全のため必要な管理の方法の基準として規則で定めるもの
(原状回復命令等の手続)
第18条 市長は、法第23条第1項の規定により原状回復又はこれに代わるべき必要な措置をとるべき旨を命じようとする場合において、必要があると認めるときは、あらかじめ、審議会の意見を聴くものとする。
(管理に関する命令又は勧告の手続)
第19条 市長は、法第26条の規定により必要な措置を命じ、又は勧告しようとする場合において、必要があると認めるときは、あらかじめ、審議会の意見を聴くものとする。
(指定の解除の手続)
第20条 市長は、法第27条第2項の規定により景観重要建造物の指定を解除しようとする場合において、必要があると認めるときは、当該指定を解除しようとする景観重要建造物が存する土地の区域を管轄する区及び審議会の意見を聴くものとする。
2 市長は、法第27条第1項又は第2項の規定により景観重要建造物の指定を解除したときは、規則で定めるところにより、その旨を公表するものとする。
第2節 景観重要樹木の指定等
(景観重要樹木の指定の手続)
第21条 市長は、法第28条第1項の規定による景観重要樹木の指定をしようとする場合において、必要があると認めるときは、当該指定をしようとする樹木が存する土地の区域を管轄する区及び審議会の意見を聴くものとする。
2 市長は、法第28条第1項の規定による景観重要樹木の指定をしたときは、規則で定めるところにより、その旨を公表するものとする。
(景観重要樹木の管理の方法の基準)
第22条 法第33条第2項の規定により定める管理の方法の基準は、次に掲げるものとする。
(1) 景観重要樹木の良好な景観を保全するため、剪定その他の必要な管理を行うこと。
(2) 景観重要樹木の滅失、枯死等を防ぐため、病害虫の駆除その他の措置を講ずること。
(3) 前2号に掲げるもののほか、景観重要樹木の良好な景観の保全のため必要な管理の方法の基準として規則で定めるもの
(原状回復命令等の手続)
第23条 市長は、法第32条第1項において準用する法第23条第1項の規定により原状回復又はこれに代わるべき必要な措置をとるべき旨を命じようとする場合において、必要があると認めるときは、あらかじめ、審議会の意見を聴くものとする。
(管理に関する命令又は勧告の手続)
第24条 市長は、法第34条の規定により必要な措置を命じ、又は勧告しようとする場合において、必要があると認めるときは、あらかじめ、審議会の意見を聴くものとする。
(指定の解除の手続)
第25条 市長は、法第35条第2項の規定により景観重要樹木の指定を解除しようとする場合において、必要があると認めるときは、当該指定を解除しようとする景観重要樹木が存する土地の区域を管轄する区及び審議会の意見を聴くものとする。
2 市長は、法第35条第1項又は第2項の規定により景観重要樹木の指定を解除したときは、規則で定めるところにより、その旨を公表するものとする。
第5章 公共事業景観づくり指針
(公共事業景観づくり指針)
第26条 市長は、市が行う公共事業に係る景観づくりのための指針(以下この条において「公共事業景観づくり指針」という。)を定めなければならない。
2 市長は、公共事業景観づくり指針を定めようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。
3 市長は、公共事業景観づくり指針を定めたときは、これを公表しなければならない。
4 市は、公共事業の執行に当たっては、公共事業景観づくり指針を遵守するものとする。
第6章 景観づくり住民協定
(景観づくり住民協定)
第27条 市長は、市民又は土地の所有者若しくは借地権を有する者が景観づくりに関する協定を締結した場合において、当該協定の内容が地域の景観づくりの推進に資するものとして規則で定めるものに該当すると認めるときは、当該協定を景観づくり住民協定として認定することができる。
2 市長は、前項の規定により景観づくり住民協定を認定したときは、規則で定めるところにより、その概要を公表するものとする。
第7章 景観づくり団体の認定等
(景観づくり団体の認定等)
第28条 市長は、法第8条第2項第1号に規定する景観計画区域において、景観づくりを目的とした活動を行う次に掲げる団体を、規則で定めるところにより、景観づくり団体として認定することができる。
(1) 特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号)第2条第2項に規定する特定非営利活動法人
(2) 公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成18年法律第49号)第2条第1号に規定する公益社団法人又は同条第2号に規定する公益財団法人
(3) 景観重点整備地区において区によって組織された団体
(4) 法第81条第1項に規定する景観協定を締結している団体
(5) 景観づくり住民協定を締結している団体
(6) 前各号に掲げるもののほか、良好な景観づくりを行う団体として市長が特に認める団体
2 市長は、前項の規定による景観づくり団体の認定をしたときは、規則で定めるところにより、その旨を公表するものとする。
3 第1項の規定により市長の認定を受けた景観づくり団体(以下「認定団体」という。)の代表者は、当該認定団体の代表者の氏名若しくは住所、主たる事務所の所在地又は活動内容に変更があったときは、市長に対し、規則で定めるところにより、その旨を届け出なければならない。
4 認定団体が団体の解散その他の事由により認定の要件を欠くに至ったときは、当該認定団体の代表者は、市長に対し、規則で定めるところにより、その旨を届け出なければならない。
5 市長は、前項の規定による届出があったとき又は認定団体がその認定の要件を欠くに至ったと認めるときは、当該認定団体の認定を取り消すものとする。
6 市長は、前項の規定により認定団体の認定を取り消したときは、当該認定を取り消した団体に対し、その旨を通知するものとする。
第8章 補則
(委任)
第29条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(経過措置)
2 この条例の施行の際現に長野県景観条例(平成4年長野県条例第22号)第32条第1項の規定により長野県知事の認定を受けている景観育成住民協定は、第27条第1項の規定により市長の認定を受けた景観づくり住民協定とみなす。
附則(平成24年3月16日条例第9号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(令和4年12月16日条例第24号抄)
(施行期日)
1 この条例は、令和5年4月1日から施行する。